こっちも面白い。

PLUTO (1) (ビッグコミックス)

PLUTO (1) (ビッグコミックス)

前から読んでたけど、最新刊含めて読み返しました。
浦沢直樹さんという漫画家は、ストーリーの展開や構成がすごく上手いってことは、
「Monster」を読んで感じていましたが、こちらもすごい。
特に、ロビーという警察ロボットが破壊され、その遺品を主人公ゲジヒトがロボットの奥さんに届けるシーン、
奥さんの横顔だけで淡々とコマを進めて行くだけなのに、すごく読ませるんですね。
ノース2号のエピソードにしても、特に心を揺さぶるような描写はなく、展開としてはあまりにも淡白なのに、
最後のコマで泣きそうになります。
絵だってすごく上手いしそれで読ませる事だって出来るのに、構造で読ませるっていうのかそういう技量を持ってる
希有な漫画家だなあと思います。
それに伏線の張り方というか、読者を適度にほったらかして話を進めるバランスがとても良いです。
ゲジヒトの夢とか、あーすごく気になるなあ(笑)
原作は読んだ事がないのでその雰囲気はわからないけど、この漫画は「子供の頃に夢見た近未来」的なデザインを残しながら、
フランケンシュタイン・コンプレックスが人々やロボットの心に影を作っている世界観が描かれていて、それらが共存する不思議な雰囲気がいいですね。
声をかけるだけで走る全自動の車に乗りながら、登場人物達が陰鬱な表情をするコマなんて、すごくいい。
表面上の幸せなイメージと内面とのギャップに、今に通じるものがあるような気がしましたねえ。
ロボットと人との関係がこの後どのように描かれるかとても楽しみです。あー気になる(笑)