アサシンクリード3 レディ リバティ



ステルスゲームアサシンクリード」シリーズの3部目、ネイティブ・アメリカンのコナーを主人公としたアサシンクリード3の裏側で起こっていた出来事を、女性の暗殺者アヴリーンを主人公に据えて明らかにしていく今作。面白かったけど、少し残念な部分もあったりしたのでちょっと感想を書いておきます。


関連記事
アサシンクリード3 - ここでみてること


ゲームシステムについて

建物や木にすいすいと登って高所を渡り歩く楽しさは健在のまま、女性が主人公(シリーズ初かな)なだけあって、衣装替えという戦略も織り込まれていていろいろできるところはすごく楽しかったです。衣装ごとに特化した能力(魅力とか、特殊ステルス効果とか)があるのも良かった。ドレスが楽しかったなあ。ドレス姿で暗殺とかw 歩き辛いんだけど優雅で見た目が楽しかったです。逆に行動も制約されていて、ドレス姿で壁は登れないなど常識的なルール設定は良かったですね。まああんなひらひらした服じゃ目立ちすぎるよね。汎用性高かったのは奴隷姿かなあ。衣装もカジュアルな感じでかわいいんだよ。ただシナリオイベント時は自由に着替えることができなかたのが少し残念でした。まあ選択されたその衣装が最適なのは分かるけど、ちょっといろいろ試してみたかったよね。
アクション面では鞭を使ったフック&ジャンプが特色でした。まああれだ、キャッスルバニアだ。鞭で敵を近くに引き寄せて、攻撃とかできるのでこれはけっこう便利だったなあ。
シリーズとおして、登る走る、早歩きなどの基本アクションも前に比べてかなりやり易くなっていると思います。うーん、慣れて来たせいかなあ。いやでも2の時はけっこう難しかったと思うんだけど。戦闘は基本的に1対多ですが、常に戦うのはフォーカスしている一人だけという部分も変わっていなくて良かったです。残念ながらチェインキルとかはあまりできませんが。ただカウンター投げで後ろに投げた敵に、なぜかアヴリーンが振り向いてくれないことがあって追撃したいのにキー入力が無視されるということがありました。なんだろう、操作おかしいのかなあ。

映像・ゲーム内の表現について

18世紀のニューオーリンズやメキシコの古代遺跡、ジャングルなど多彩な舞台で遊べるのはすごく楽しかったです。特にメキシコの遺跡、チチェン・イッツァは本編の謎の存在とも関わる重要なアイテムがあったりして、この遺跡中を探索したりパズルを解いたりするのは面白かったですね。でももうちょっとパズルにアクションが欲しかったなあ。今回は時間制限のあるパズル(2では時間内に登り切らないと高さが元に戻る柱とかあった)はなくて、じっくりできるのはよかったけど(ただフルシンクロ目指すなら時間内じゃないとダメ)そうするとあんまりスリルがなくて面白みに欠けていたと思います。自然に囲まれた古代のすり切れた石像群が、奥に進むに連れて幾何学模様のものに変化して行く構造はすごく良かったんですけどね。
それと3に続き、カメラやコントラストがけっこう酷かった。TPSなのはいいんだけどちょっとカメラが入力を受け付け過ぎというかすごくふらふらするんですよね。これ設定変えられるのかなあ。今やってるMGSVだとかなりきちっと固定されてて、こういう方が快適なんですけどね。あとこれは完全にバグだと思うけど移動中にカメラが勝手に前後にズームすることがありました。このゲーム、酔うことほとんどないんだけどさすがに酔いそうになったわ。やめてw
夜のシーンと昼のシーンのコントラストの差が激しいのも気になりましたね。夜は暗すぎて見えないし昼は眩しすぎるし。これも設定次第なのかもしれないけど、今までこのシリーズであまり設定変えたことなかったのでどうかなあと思うんですよね。あと画面に常にふわふわしたものが飛んでるのは、あまり好きじゃないなあ。建物や街角の作り込みはすごくいいし遺跡のデザインも面白いし、バイユーなんかのジャングルの密度も申し分ないんだけど、ちょっとしたところが雑で残念でしたね。
それと(まだある)、BGMのきっかけが微妙でした。見つかった時と、逃亡中で違う曲になるところだと思うんだけど、急に変わったり戻ったりして、?でした。

ストーリーについて

以下ネタバレ




アヴリーンはある事情から実の母親と別れて、継母のマドレーヌとその夫と共に暮らしています。が、子ども時代のシーンからいきなり成人してアサシンになっているのでちょっと面食らいました。アガットというアサシンの師匠が居るのですが、その人物も唐突に登場してなぜかいきなり怒っているのもよく分からなかった…。最後までクリアすると、マドレーヌがテンプル騎士団側でこのシナリオの真の黒幕だということが分かり、アガットはそのテンプル騎士団の思惑どおりに操られてしまったということだと思うんですが、会う度に怒られて「なんだろうこのおっさん…」と思ってしまいました。そんなに怒らなくてもいいじゃない。この師弟関係はよく分からなかったけど、バイユーで暮らす人々と仲良くなったり、聡明で優しい恋人のジェラールとの関係は良かったですね。なんだろうジェラールは2のレオナルドみたいで、会う度に笑顔で迎えてくれるキャラっていいですよね。
結局、アヴリーンの本当の母親、ジャンヌ(手記全部手に入れてないけど)はテンプル騎士団が血眼で探している円盤の在処を知っているが故に、姿を隠さざるをえなかったんですね。そしてそれを見つけ出すために、マドレーヌはアヴリーンを利用した。ていうか、この円盤、2でエツィオが探し当てたやつかな?
終盤でコナーと行動できるのが楽しかったです。お、久しぶり。そういやコナーの周りって男ばっかりだったよなあ。(父親はロマンスがあったけど)実は隠れて女の子とデートしてたんだねw 難易度高いデートだけど。ただせっかく登場してもシナリオ的にも、戦力的にもあまり関わりがなかったのがちょっと残念でした。


そしてこのゲーム、開始の時点でアニムスとアブスターゴ社のロゴが出るんですが、これってメタ的な仕掛けになってるんですよね。たぶん元々はアブスターゴ社はアニムスが組み込まれているゲームを配布してアサシンを操り円盤を手に入れようとしていたけど、途中でコマンドラインが表示されてハックされたようになります。たぶん、アサシン教団側の誰かがやったんじゃないかなあと思うんですが。
アニムスはゲームのような世界で記憶を追体験するシステムで、それが本当にゲームとしてリリースされたらと考えると面白いですよね。デズモンドの気持ちが分かるわ。