ウォッチドッグス


世間は妖怪ウォッチで盛り上がっているようですが、ウォッチはウォッチでも犬のほう。街の中を探索して妖怪じゃなくて犯罪者を見つけては追いかけてって棒で殴るw ウォッチドッグス、ストーリー部分を先日クリアしましたー。いやー最後の方はけっこう難しくて大変でしたが、クリア後に難易度を変えられることを知って脱力しましたよ…。ずっとノーマルでやってた。よくやったよ自分…。

ゲームシステムについて


ゲーム内を自由に歩き回ることができるオープンワールド式で、舞台は現代のシカゴです。まあ実在のシカゴとは地理がだいぶ違うようですが。フィクション的に完全にコンピュータ化(電子機器がctOSという都市全体をカバーするOSで接続されている)されており、操作キャラはそのOSの完全アクセス権を不正に持っている、という設定です。んで、この街の中にある電子機器を自由にハッキングしていろいろな遊び方ができる、というのがこのゲームの基本コンセプトですね。そしてこれがよく考えられていてすごく楽しい。街の中には監視カメラが無数にあってそれも当然ハッキングできるんですが、監視カメラ内に入った監視カメラに視点を飛ばしてカメラの視点を切り替えながら手の届かない高所や立ち入りで着ない場所を探索したり、敵に近づくことなく索敵ができたりして、操作キャラ一人に対して複数の敵を相手にする時にすごく便利なんですよね。カメラが味方。さらに敵の支援無線を妨害したり、誘導や爆発物の起動までできてしまうので、ほんと毎回違うやり方で攻略できますね。まあ私は標準的な、チュートリアルでやった方法くらいしかできないけど、人によっては大胆に攻めたり、忍者よろしくノーアラートでクリアしたりできると思います。まあエイデン(操作キャラ)普通の人だからあんまり撃たれるとすぐ死ぬけど。
アイテムでけっこう使うのはやっぱりジャミング(電波妨害)かな。PVでもあったと思うけど停電はあまり使わなかったですね。見た目派手だけどこちらもハックできなくなってしまうから実はあまり有利ではないんだよね。
監視カメラ以外にも信号機を変えたり、ハックして爆発させたりできるものがあったりして、ついうっかり余計なことをして市民のみなさんをびっくりさせてました(笑)最初にやった時はその辺にいる人の携帯をハックしようとして側のプレート爆発させて逃げられたよ。まあ普通にびっくりするよね…。信号機も進行側だけ変わるのかなと思ったら、交差点全部青に変わるので最初はよく巻き込まれましたね。あれは通過しつつ青に変えれば追っ手を振り切れるものなんだね。


攻略もとても面白いのですがぶらぶらと歩くだけでも楽しいのがオープンワールドのゲームの魅力。今回PS4でプレイしているので、ちょっと頑張ってスクリーンショット撮ってみました。


パーカー・スクエアからループへ向かう高速からみたビル街の夜景がすごく好きなのですが、うーん撮れない(笑)ので、別の夜景のシーン。ここはどこだ。


バイクで疾走するのがほんと楽しい。最初はなんでこんなにあほみたいに加速するんだこわい!って思ったけど今はもう慣れました。飛ばすぜー。ちなみに運転中に曲をかけることができるんですが、これがゲームオリジナルではなく実在のバンドの曲みたいです。お気に入りはRise AgainstのHelp is on the wayって曲。ここで聞いてiTuensでアルバム買ってしまいました。

ちなみに日本と車線が逆です。もー最初すごい間違えて逆走したよ。


水の上から朝焼けの1枚。車やバイクだけでなくボートも乗れます。


ただぶらぶら歩くだけでなく主要な観光地にチェックインしたり別のハッカー集団が街中に仕掛けたQRコードを探したりと、まったりしたミッションも数多く用意されているので、緊張感あふれるステルスミッションの合間に散歩がてらよく歩き回ってました。まあクリア後もけっこう取りこぼしていたのでまだやってますけどね。


で、当然ソーシャル要素もあるんですが小心者なのでオンラインは未だにオフです。これデフォルトでオンなんだよ。一回だけオンライン尾行したかな?逃げられたけどw バーチャルかくれんぼのような感じですかね。まあそのうちブームが終わる前にやってみようかな。こういうのはやりたい時に対戦相手がいないと出来ないからね。

演出・キャラクターについて


わりと映画を意識した作品だったんじゃないかなと思います。例えばストーリーを進めると、主人公が強盗の逃走を手伝うシーンがあります。依頼者を車で拾ってヘリやパトカーを警戒しながら進んだり止まったり。ってこれ、映画「ドライヴ」やないかーい。確かにあの映画観たときに「ああ、こういうの緊張感あって楽しそう!」って思ったけど、実際やってみたらすごく難しいのね(笑)ライアン・ゴズリングのようにはいかなかったです。それに街中の監視カメラの情報が膨大なスクリーンにばーっと映し出される風景は、映画「ダークナイト」のワンシーンっぽかったし、女性のハッカーは明らかに映画「ドラゴンタトゥーの女」のリスベットだしね。
アクションもデモシーンだけがかっこいいことってよくある(特に操作下手な人は操作時とのギャップによく苦笑いする)んですが、この作品は隠れるときとか物陰から飛び出して攻撃するときがいちいちかっこいいんですよ。なんか上手くなったような気がする!(気がするだけ)
それに「こんなところにジャンプ台が!(棒読み)」みたいな感じで置いてあるジャンプ台(笑)なんていうか「これがしたかったんだろ?」って言われてる気がしてあれだけど、「わかったよ、これがしたかったんだよ!」って感じで車で突っ込んでって飛びました(笑)よく死ななかったねエイデン。


キャラクターについては主人公のエイデンがものすごく普通でびっくりしました。今や実在する俳優をキャプチャして高い精度でゲーム内に再現できる時代だというのに誰ともつかない顔なんですよね。うーん、角度によってはジェレミー・レナーに似てる…気がする。まあ強いて言えば80年代くらいのアクション映画に出ていたような顔って感じですかね。今っぽくない。まあゲームって一番よく見るのは後ろ姿ですけどね。後ろ姿かっこいいのでそれでいいです。
あと細かいところでは雨が降ってくるとエイデンは傘もささずにびしょぬれなんですが(帽子かぶってるからいいのか)、たまにぼーっと立ってるとスマホをふきふきしてるところがかわいいですね。まあある意味銃より大事な武器だもんな…。壊れたら大変だ。こんなナチュラル素材ばっかりのコスチュームの主人公も珍しいですね。皮コートにタートルネックセーターにデニムのジーンズかな。めっちゃふつう。コートの裏地がオレンジなのがちょっとかわいいんですよね。バイク乗ってるとよくぴらぴらしてる。

ストーリーについて


以下ネタバレ








あらすじ

都市を支配するOSにハッキングを仕掛けて機密情報や個人情報を盗み出す裏稼業を営むエイデン。相棒のダミアンのネット越しの支援を受けながら彼はある情報にアクセスすると、女性の影が映る乱れた映像が流れ第三者のアクセスが検知される。危険を察したエイデンはその場を逃げ切るが、何者かが彼を抹殺しようと刺客を差し向けるのだった。辛くも暗殺を免れたエイデンだったが代償のように幼い姪の命が奪われる。姪の命を奪ったものは何者なのか、その指示を出した背後にいる者は誰なのか。事件の発端となったハッキングの場に居た第三者の正体。そして女性の映像の謎。復讐を胸に真相をつきとめるためエイデンはシカゴの街を駆け抜ける。


うーん。姪の命を奪った者たちへの復讐というモチベーションが、最後までちょっとついて行けなかったですね。エイデン自身に妹以外の家族はいないようだし、妹一家にも父親が不在なんですね。エイデンが姪っ子や甥っ子の仮の父親役を担っているところがあって、そこはいいんだけど、実の娘でもない親戚の子のためにそこまでするか…とちょっと気持ちがついていかなかったです。もうちょっと家族にまつわる回想シーンとかエピソードで説明されていたら違ったかもしれないけど。まあ憶測でしかないけど、やっぱりレナ(姪)はエイデンの実の娘なんじゃないかとちょっと思ったよね。
一方、甥のジャクソンとのエピソードはとても良かったですね。エイデンと同様に、ジャクソンもまた兄という同じ立場なんですが、この子は伯父さんのように行動するのではなく静かに成り行きを見守っている。まだ10歳の子供だからというのもあるけど、復讐に駆り立てられるエイデンの「動」とジャクソンの「静」がうまく対比として効いていたと思います。エイデンもジャクソンと接して一瞬、自分のしていることを省みるんだよね。結局突き進むしかないんだけど、そういう内省がストーリーに組み込まれていて良かったですね。それと妹のニッキーとのシーンが好きでした。妹に怒られるというか、諭される時のエイデンって、ちょっとしゅーんとしてる犬みたいでかわいいんですよね。アラフォーのおじさんつかまえてかわいいってのもあれだけど。


復讐というだけでなく、エイデン自身が身の安全を守るために黒幕を追わなければならない、というストーリー上の強制力がちょっと弱かったですね。だってエイデン、めっちゃ強いんだもん。大丈夫だよこの人(笑)デモシーンでも滅多なことでは危機的な状況にならないので(なったとしてもすぐに切り抜ける)、すでに最初から完成されたキャラクターなんですよね。危機的な状況はゲームの方に組み込んでいる、というのもありますけどね。
個人的には操作キャラがちょっとずつ成長していく過程を体験したいというのがあるけど、今はもうそういう時代ではないんだろうなあ…。まあゲームなのであまり操作キャラクターを深く掘り下げると感情移入を疎外してしまうという理由があるのかもしれません。


冒頭で広げていた黒幕や正体不明のハッカー、謎の映像などの伏線を無難に現実的な物語へ帰着させたところは良かったですね。演出全般もそうだけど、ハッキングというサイバーパンクな設定が組み込まれていながら、サイバーグラスをかけるわけでもなくネット世界へダイブするのでもなく、どこまでもそこにある世界に留まっているんですよね。エイデンはずっと歩きスマホだよ。よく人にぶつかるし(笑)物語もSF的な抽象世界は一切なく、どちらかというとハードボイルドな現代劇という感じでした。そうだなあ、昔のギャング映画の銃をスマホに持ち変えたような。今調べたら映画「アンタッチャブル」(禁酒法の時代のギャングと捜査官を描いた作品)って舞台がシカゴだったんだね(笑)ああ、ああいう感じ。



他にもビジネス契約を結んだパートナー、ジョルディとかサイバーテックおやじのTボーンとか魅力的なおじさんがいっぱい出て来てすごく楽しかったです。もうこの辺のこと書いてると際限がないわ(笑)