ヒックとドラゴン

2010年のアニメーション映画。わりと評価が高かったので観てみました。バイキングの少年と、バイキングの宿敵、ドラゴンの物語。
バイキングとしては見た目も内面も明らかに素質が向いていない少年ヒック。自分が属する世界でどう自分らしく生きていくべきか、その活路を見いだすのがこの映画の主題だと思います。なかなか現実世界ではその場所で上手く能力を活かすということが難しかったりしますが、自分がやれることをやるしかないよね、と観ながら思いました。ヒックも勝算があって行動しているわけではないし、出会った凶暴なドラゴン、トゥースに食べられそうになりながら手探りで交流を重ねていきます。そのコミュニケーションの中でみせた飛翔のシーンは素晴らしかった。なんていうか暗中模索の中でこういう、「間違ってない」って思える瞬間ってすごく輝いていていいなと思います。単なる異種間の友情物語に終わらない、絆を繋ぐ上での冷徹な視点が盛り込まれているところも良かった。面白かったです。