トゥモロー・ワールド

世界中で子供が生まれなくなってから18年。その世界で初めて妊娠した女性を巡る物語。
ちょっと思ってたのと違ったけどまあまあ面白かったです。子供がいない世界というよりも、テロが激化したり移民が暴動を起こしたり、子供が居ない世界描写よりも、崩れかけた社会を執拗に見せつけるようなシーンが印象的でした。移民たちとは言葉が通じないし、テロを画策する者たちとは意思が通じない。一握りの安全を確保した国民たちは、テロリストによって街中のカフェが爆発したことよりも、世界最年少の子供(18歳)が亡くなったニュースの方に動揺したりして、誰もが本来解決しなければならない問題に向き合おうとしていないように見えます。まあそりゃそうですよね。早ければ50年後には後継者のいない人類は滅ぶことが明白なんだから。その色濃い疲労感のようなものが全体的に乾いた色彩のシーンで表現されていたのではないかと思うんですよね。そういう世界に子供が誕生するというのは希望以外のなにものでもないはずで、それを戦闘状態を止めるほどの奇跡として描いていたところがすごく良かったです。