あいどる

あいどる (角川文庫)

あいどる (角川文庫)

昨年末に日本で初開催のコミコンに行ってきました。映画もゲームもフィギアも盛りだくさんのとても楽しいイベントでめっちゃ堪能して帰って来ました。んで、そのイベントの中でボーカロイドと人間のパフォーマンスを組み合わせたコンサート映像を見たんですよね。技術的にどういうものなのかは分からないけど、ふとこの「あいどる」を思い出しました。
ボーカロイドの「あいどる」の女の子を中心に、オーディエンスもパフォーマーも一つの空気を生み出している。あいどるの彼女は単なるプログラムなのに、そこに幻想を見出し共有する人たちが一体となってライブを盛り上げている。


すごいと思いませんか。人間の「夢を見るちから」と、あいどるの「夢を見せるちから」とが同期しているんです。機械のあいどるでもここまでできるという技術が、機械であることを承知の上で幻想を難なく抱いてしまう人間の想像力が。


ギブスンがこれを書いたのは90年代半ばです。やっと現実が小説に追いついた、そんな気がしました。