攻殻機動隊 小説アンソロジー

映画化に合わせて発売されたアンソロジーです。執筆陣がとても豪華。

攻殻といえば「ゴーストの囁き」という言葉が有名かなと思うんですが、どの作品も共通してこの「ゴースト」を書き現そうとしているのかなあと感じました。というより、私がそう読み取りたかった、というだけです。円城さんの独特の言い回しと展開で描かれる人ならざる存在、三雲さんの恋にも似た感情と映像イメージ、音の組み合わせ、
朝霧さんのテレビシリーズに踏み込んだアナザーストーリー的なキャラクターの配置、秋田さんのワンシチュエーション演劇のような濃密な「独り言」、冲方さんの一人称視点で展開するミステリーの巧みな構成。どれも素晴らしく楽しい作品でした。ちなみに朝霧さん以外は著作を読んだことあるわ。