エイリアン コヴェナント

観てきました。エイリアンの新作。
一応シリーズは押さえていて、前作のプロメテウスも観てます。ちょっと続きものぽいところもあるので、せめてプロメテウスは観ておいた方が楽しめるかな。

というわけで、エイリアンです。もうエイリアン映画といういちジャンルでいいんじゃないかと思うくらい、エイリアンが出てきて人間があっさりと殺されていきます。作品ごとに阿鼻叫喚の風情がちょっとずつ違うのが楽しいところですが、今作はなんだかクルーの人たちの涙目が目立ちました。これまでの作品だと軍人が居たりしてそんなにパニくる人は少なかったと思うんですが、なんだかみんなすごく動揺しちゃうんですよね。まあそれがこの映画の見所でもあるので、人間がひぃー!とかぎゃあー!とか言いながら、エイリアン無双の前に散っていくところはめちゃくちゃ怖いのにちょっと楽しい。
なんだろう、監督はむしろ人間が嫌いなんじゃ?と思うくらい、個々の決意や生きる意志のようなものが、エイリアンの強力で暴力的な生命力の前に儚く潰えていくんですよ。さっきの約束なんだったんだ、って感じで。
まあそんな人間の中で、一人だけ冷静というかぼーっと参加してるアンドロイドが今回の主役、なのかも。というかこれはエイリアン映画なので、エイリアンが出てきて殺すという(ニンジャが出てきて殺すみたいな)明確なベースラインがあるので、エイリアンが出てくるくらいでは驚かないのです。むしろ出てこない方が驚くわ。確かに出てくる演出で驚いたりはするし、今作はエイリアンの造形もけっこうグロい感じでかなりぞわぞわしたんですが、存在自体は自明のものとして映画を観ているわけです。
そんな中でこのアンドロイドの存在がかなり不気味で、なにを考えているのかわからない底知れなさ、突然の感情の発露とか、ミステリー部分を牽引しているんですよね。おなじみのエイリアン映画に人間ではない存在をうまく絡めていて楽しかったです。