天冥の標 10 青葉よ、豊なれ PART 2

 

 

読みました。
次巻で終わってしまうとのことで、いろんな伏線が回収されつつさらに新たな局面を迎えたりしていて目が離せません。こんな終盤になっても物語が躍動してるってほんとすごいわ。


前回の感想のタイトルを間違えてたー!わーごめんなさい。。(直した)


以下ネタバレ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


さて。終盤です。舞台から去っていくキャラクターが徐々に増えてきました。中でもルッツとアッシュのコンビがね。いやー彼ら、すごく好きなのよ。確か1巻からちらちらと出てきて、6巻で突如ピンチを救うシーンがあって。そのシーンがもう、いろいろ盛り上がってるところにさらに燃料投下って感じで、もう面白すぎて「なんなんだー!?」って本読みながら立ち上がったからね(笑)主役三者のドラマがなかなかにシリアスなところを、おとぼけな会話で緩めてたりして楽しかった。彼らの珍道中がまた読めたらいいなあ。


で。今作の最大のシーンはやっぱりミヒルとの決着でしょうね。イサリはわりと切なさ担当(?)なところがあると思ってて、このシーンもすごく切なかったなあ。なんかもう言葉じゃないんだよね。気持ちを叩きつけなきゃ治らない、それまでの二人の愛憎を眺めてきているから余計ね。ミヒルとイサリのシーンで思い出すのは、初めて外の世界に抜け出した時のエピソードかな。その後の二人の確執を固めるシーンでもあるんだけど、姉妹がこっそりと悪巧みをする無邪気さもあってその二人の中の良さの方が印象に残ってるんだよね。
それともう一人の好きなキャラクター、一旋次(いっせんじ)とスキットルの結末も切なかったなあ。彼らも長いこと人に寄り添って生きてきて、それぞれの中に思うところがあったり他のキャラクターの想いも混ざっていたりして、登場しているのは二人だけなのにそこに過去のキャラクターが見え隠れするするんですよね。なんだろう、いつまでも人に寄り添いたい側と、人と共に在る以外の道を探したかった側とに分かれるのかなと思うんですよ。そして恋人たちのラゴスは、なんかもうノリノリでエロい計画立てちゃってるし(笑)ほんと予想がつかなくて面白いな、このお話。


さてさて。ようやく人類どころか宇宙の知的生命体全体に及ぶ問題へ到達したみたいです。長かったような、短かったような。そして、ちょっとどこか見落としてしまったんだけど、ようやく「標」という文字が出ました。この物語の最大の謎、タイトルである「天冥の標」の天冥まであと1冊です。終わっちゃうのがもったいないなあ。。