スパイダーマン:スパイダーバース

観てきました。

予告というか、どの映画か忘れちゃったけどエンディング後にちらっとティザーが流れたのを観た時は、ゲームのプロモーションか何かかなあくらいにしか思ってなかったんですよね。去年の暮れあたりにゲームの方のスパイダーマン、すごく人気だったし。あと、これまでのスパイダーマンフィルム、ちゃんと観てないな。ちょいちょいつまみ観?したくらいでした。いや、でもずいぶん前にNY行った時にはミュージカル「スパイダーマン」(劇場空間でスパイダーマンが飛び回ってた)は観たんだよな。。

というくらい、ちゃんとしたスパイダーマンファンじゃない。けど、この映画すごく楽しいんですよ。

 

ここ最近、グラフィック・ノベルというやつにちょっとはまってて、まあいわゆるアメコミというやつですな。日本の漫画とはちょっとスタイルもテイストも異なってて読むのに少しコツが要るんだけど、この映画を見るとちょっとそのコツが分かる、ような気がしました。

アメコミのコマって漫画に比べてすごく断続的で、よくよく前後のコマの関係をじっくり読み取っていくようなそういうタイプの読み物だと思うんですよ。小説の行間を味わうような感覚に近くて。

でもずっと漫画を読んできたから、コマとコマの補完ってどうしても漫画流になってしまうわけで。そうするとあんまりスムーズにはいかない。難しいなと思ってたけど、この映画を見ると、なんと!ちゃんと補完されてる映像がそこにあるではないの!

というよりも、一コマに凝縮されてる情報量が漫画に比べて多いだなということが分かる。漫画って絵から絵への連続的な流れだけど、アメコミは一コマにアクションがぎゅっと詰め込まれてるんだなあれは。だから次のコマに移った時にはカットが、あるいはシークエンスが終わってて次が始まってるんですね。

と、いうのを新生スパイディことマイルスくんがはちゃめちゃに逃げ惑うシークエンスで「おお!」と思ったのでした。まあさすがに長いから一コマってことはないと思うけどね。

 

それと、あまりアニメーションというものに詳しくないんだけど、これだけバラバラなテイストを一つの画にまとめる、アニメーションの許容の大きさにビックリでしたね。だってあのそうそうたる「スパイダーマンズ」の多様さったら(笑)一人は色すらないからね!

でも、そんな多様性を持たせながらもきちんとキャラクターがそこに収まってる。誰一人(一匹?)、お話からはぐれてないんですよね。それがこのヒーローの特性の一つ、「誰でもスパイダーマンになれる」ということへの証明でもあるのかも。どのキャラクターも(どんな絵柄でも)、あれは皆スパイダーマンだった。

 

あと、意外とおっさんがかっこいい映画でもありました。なんかさ、おっさんがへとへとになりながらも頑張るの、ほんと好きなんだよな。それにクールなノワールが時々仲間に見せる親しさとかさ。ぐっとくるんだよねーああいうの。

それでいて最後はちゃんと王道のスパイダーマンの物語に帰結するんだよね。ちゃんと普通の高校生がスパイダーマンとして覚醒する成長のお話に。

 

これは実写ではできない、アニメーションならではの特性を生かしきった映画だと思います。すごく楽しかった!