最近読んだ本とか

前回は近況だけで終わってしまってたので、ここ最近読んだ本をまとめておきます。

 

まずはゴジラ S.Pの小説版。

 

アニメシリーズを観てから小説版に入ったのですが、アニメシリーズでも魅力的だったBBとおやっさんが思ったよりも登場していてホントにありがとうございます!(突然の感謝)

おやっさん、アニメ版では奇矯で頑固なイメージだったんだけど銛(もり)打ちの友人とのエピソードがラストも含めてすごく良かった。。なんか過去作がらみのネタなのかなぁ。ゴジラ、過去作がたくさんありすぎてちゃんと隅々まで観れてないんだよね。。

理性のかたまりのようなユンが言語化で到達するような領域に、勘でひょいと踏み込んでしまっているあたりの天才肌な様子とかもいいよね。

それとBBですよ。アニメでは完全に悪人顔(笑)なのにかわいい娘さん居たり、専門分野については恐ろしく頭が切れるのに、なぜかでかい独り言でデパートのご案内をしたりとギャップが面白いキャラでしたが、娘さんとの過去が絡んでいたりとかちょっと影が見えたのがさらにキャラの深みが出て良かったなぁ。

その他のキャラも別の側面がかいま見えて素晴らしかったんだけど、何よりこのシンギュラポイントの中心にいるあの二人?二匹?の主観がお話を駆動しているところがすごい。いやーこんなの円城さんにしか書けないよ。

アニメ版の補足というよりも、ゴジラ世界の時空を俯瞰しているようなそんなSF作品でした。

 

次は獣たちの海です。

 

華竜の宮、深紅の碑文で描かれたオーシャン・クロニクルをベースとした短編集です。

ベースとなった二作は海面上昇により変化を余儀なくされた人類の文化やテクノロジーを描いた物語で、がっつりとしたSFが味わえる作品。その世界での短編なので設定などには説明が省かれているところもあるんですが、物語はとても面白かったです。

特に「迷舟(まよいぶね)」と「カレイドスコープ・キッス」が良かった。

「迷舟」は世界が混迷を極めている時代の物語でありながら、ほぼ事件らしいことは何も起こらず、凡庸な人間の人生に忘れ得ぬ輝きがもたらされる、というだけのお話なんですが、物語の運びや抑えた表現がホントに素晴らしくて、読了した後に「あーこういうお話好きだー!」と思ったよね。

カレイドスコープ・キッス」は同じ人類でありながら、住う場所や文化が異なる「陸上民」と「海上民」の物語。これも世界に大きな危機が訪れようとしている背景がありつつも、個々の間の恋愛がお話を動かしていくんですよね。その力強さに陶酔するし、一方でそれだけに閉じない世界への接続もしっかり保っていて、素晴らしい作品でした。この世界やキャラはアニメーションで映えそう。

 

やっぱりSFいいよね。