「パブリック・エネミーズ」



ジョニデ(この省略はどうなのか)とチャンベール(同じく)のイケメン役者が二人も出てるから、という理由で観ると大怪我します、とまさに私が大怪我してあいたたたですよ。チョコを食べたつもりで甘さのかけらもない、硬い何かを食べたような、そんな無骨で男っぽい映画でした。


背景となっている1930年代のアメリカの風景はけっこう好きなんですよ。映画「アンタッチャブル」がすごく好きなので。あの無法者がそこらへんにごろごろいて、ギャングが真っ昼間からドンパチやらかして、それを追っかけてるFBIも負けじとドンパチやり返す。一般市民の安全とか気にしちゃいないぜ!っていう現代劇にはない乱暴さが面白いんですよね。この映画でもそういう面をちょっと期待していましたが、うーんちょっと外れてました。
ストーリーの中で、何故ジョン(ジョニー・デップ)が銀行強盗に拘るのかが見えてこないし、反対にパーヴィス捜査官(クリスチャン・ベール)の捜査に対する熱意が分かりにくいんですね。うーん、この二人が出演するからには、もっとベタな絡みがあるかなと思ったんだけど、拳ならぬ銃撃戦で語り合うという感じでした。確かにこの二人の演技力はとても素晴らしいと思ったし、何か致命的に受け付けないものが映画の中にあったわけでもないんだけど、本当に地味なんですよね(笑)手持ちカメラを多用したカットはどこかドキュメンタリーのような感じもしたし、それでいて映画的な演出もきちんとしてて音楽の入れ方やダイナミックなアングルはとても良かったんです。でもすごい地味。徹底して安易な盛り上げを排除しているのかもしれないし、そういうのもむしろいいと思うけど、上映時間が長い(141分!)ために無駄にだらだら長い印象でした。説明不足でも荒削りなくらい短い方が良かったかもしれない。