本読んでて途中からめちゃくちゃ面白くなるとやめ時がわからないなってこと

三月も終わりですね。

週に一回くらいしか更新してないせいもあるけど、1ヶ月があっという間に過ぎていきますね。というか一週間もなんだか早くて、ぼーっとしてるとブログに書くようなこともないまま週末が来て今週はまあいいや。。。ってなっちゃうんだよな。

まあ書くことないならないで無理には書かないけど、せっかく週一ペースに戻りつつあるしもうちょっと書くこと増やしますかね。ほとんど本とゲームのことだけだもんね。

 

とりあえず今回の更新は最近読んだ本のことメインでお送りします。

 

まずはこちら読み終わりました。

デューン 砂の惑星(中)

 

今公開している映画、「デューン砂の惑星 PART2」のだいたい半分くらいまでの内容を含む小説シリーズの中巻でした。陰謀に巻き込まれて過酷な砂地に追われたポールと母ジェシカが砂の民フレメンに助けられ、彼らの生活や文化に溶け込みながらもポールは幻視する自らの宿命に戸惑い、ジェシカは砂の民の教母となる道へ踏み出していきます。親子の葛藤やポールの迷いは映画で見たばっかりだったのですごくイメージしやすかったな。一方で小説ならではの描写として、ジェシカの教母となるための儀式に現れる幻視が、そのままフレメンの歴史を概観していて興味深かった。あと映画の方でもかなり凶悪だったハルコンネンの次期当主ラウサ、小説でも冷酷だけど現当主との確執も垣間見えて、敵は敵で一枚岩じゃない、いろんな思惑が渦巻いていて面白いんですよね。でもフェリング夫妻はなんか話し方がちょっとイライラするな(笑)映画版では夫妻ではなく妻だけ?で、この役のレア・セドゥさんの妖艶さがよかったな。

さて、引き続き下巻読み中。映画のPART3に間に合うかなー。

 

次はフーコーの振り子(下)

 

 

上巻の最後の方でようやく面白いな、と思えてきて下巻に突入したものの、下巻は下巻でまた途中まで読みだれてしまったんだけど、中盤から俄然面白くなってきて下巻の後半は一気読みでした。まあ後半も200ページくらいあってだいぶ長かったけどね。

この作者の文章、何言っているのか全然わからないのに妙に読ませる魅力があって、ところどころはてな?と思いながら読んでたんだけどそれほど苦ではなかったな。なにか分からないなりにこういうことかな?、とか本作のテーマの一つが陰謀論やオカルトなので、そういう捉え方もあるなとか、なんとなく想定を立てられたのがよかったのかも。

で、本作です。あるのかないのか証明が難しいものの中に関連を見つけて「ある」と信じること、そのこと自体を問題にしているのではないと思うんですよね。主人公サイドの三人が立てた「計画」は正にその手法でやっているわけだし、そういう出来事や残されたモノを解読して一つの文脈に乗せていくのは普遍的なやり方です。

しかしながら、『計画』を暗号のように解読する話、私たち三人が再現してみせた話こそ、<歴史>だったのである。

ウンベルト・エーコ フーコーの振り子 下 p510

人間はそこに<歴史>を、歴史というよりも私は物語という言葉の方がしっくりくるけど、なにかがあればそれを自動的に紐づけてしまう生き物で、この小説はというか、同作者の「薔薇の名前」でも思ったけど勝手に物語をそこに見出してしまうんですよね。非見立て殺人ミステリーだった「薔薇の名前」、今作は非歴史ミステリーというところなのかも。この三人から距離を置いた登場人物の言葉が印象的でした。

直感でも第六感でも、どう考えてもつじつまの合わないことを、ただまことしやかな講釈を並べ立てているだけで、話も論理的じゃないし、誠意のかけらも感じられないことぐらいは自分でもわかっていながら、それでも、神様は不可解でこの世は計り知れない神秘に満ち溢れている、と言われただけで、その支離滅裂な話そのものを神様のお告げみたいに信じてしまうのよ。

ウンベルト・エーコ フーコーの振り子 下 p381

そうなんだよな、この世につじつまの合わないことがあることが受け入れられない不寛容と、そこになんらかの意味を見出したいという欲。フィクションを読むという行為はこの二つを満たすためにあるのかも。めちゃくちゃ長いのに眠い目を擦って最後まで読んでしまったのは、なんらかのつじつまが合って、意味を見出せると思ったからだと思うんですよね。ただまあ、この作者に限っては分かりやすい結末も、簡単に見出せる意味も多分ないだろうなーってのは分かってたけどね(笑)

作中に登場する膨大な数の噂や陰謀やネタの数々を楽しみながら、意味を読み出すことってなんだろうな、ということが常に頭の隅っこにあったような、そんな読書でした。

あ、ちなみにテンプル騎士団にまつわるエピソードの中にちょっとだけ暗殺教団のことも出てきて面白かったな。アサシンクリードもある意味、歴史を読み出すことをテーマとした作品だよな。。