ちょっとしたこと


今年一年本当に良く映画を観ました。それで思うのは、観た数ではなくてそれをどう消化できたか、ということ。本数だけならまあちょっとした映画好きって言えるくらいは観たけど、それをちゃんと飲み込めていたかというとそうとも言えませんでした。消化不良な作品がいくつかあったり、その時は「こうだ!」って思っても後から自分で書いた感想を読み返すと「こうだっけ?」になってたり。難しいもんですねえ。どうすればちゃんと飲み込めるんだろう。とりあえず焦って毎週のように観に行くペースは自分には合わないな、と痛感しました。12月は観過ぎたね…。この前テレビでくりぃむしちゅーの上田さんが、バラエティに出演しているアイドルの子(名前忘れた)が毎回面白いこと言おうとして必死ですという悩みに対して、もっとバラエティを楽しんでは?とコメントしていたのが印象的でした。そうそう、映画もまず楽しむことが一番ですよ。これ観なきゃとか、どうやって感想書けばいいんだーとか悩む前に。

どうやって感じたことを言葉にしようかなと考えると、毎回どうしていいか分からなくなってました。他の映画の感想を書いている方たちはみんな上手く書いてるように思えて、どうやったらそういう風に書けんのかなーとずっと模索してました。その割にはあまり幅広く感想ブログを読んでなかったりして。人の感想を読んで自分のもののように感じてしまうのがちょっと怖いんですよね。でもまあ、来年はもう少し色んな人の感想を読んでみようかな。


そして今年はずいぶんと訃報に接した年でした。それも身近な人ではなく、ネットやテレビなどでしか知らない人々の訃報を受け取る度に、なんとも言えない寂しい気持ちになりました。私は彼らのことをそれほど知っている訳ではありません。音楽や芸や小説を通して、その人の個性を感じていただけなのですが、もうその人たちの新作が、二度とメディアに登場しないという事実が一番辛かった。その一方で、彼らの作品が文化の中でまだ生き続けているということに、強く勇気づけられました。最近、テッド・チャンというSF作家さんの「息吹」という小作品を読んだのですが、まさにこの勇気づけられた感覚そのものが描かれているんですよね。文化は、宗教のこの原始的な悼むという部分を肩代わりする意味もあるんじゃないかと、そんな風に感じました。


それではみな様、良いお年を。