「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」



この監督さんの作品は初めて観ました。
というか、クエンティン・タランティーノのプライベートフィルムのような気がしますが(笑)、
キル・ビルとか楽しんで観られる人は楽しいと思います。
ていうか、観てないんですけどね。(一時期出回ったパロディとか断片で既に観た気分)
すごく意味のない事を真面目にやる執着と、すごく大事な事を乱暴に扱う無神経さという、
このセンスがずば抜けてるなあと思いますね。
まぁ映画の中だから許される事ではあるんですが、倫理とか道徳とかそういうものを
積極的にぶっ壊して行く楽しさって言うのもあると思います。
キャラで一番良かったのは、平家側(赤い方)のボス清盛(佐藤浩市さん)でした。
アホを貫き通したあのキャラが終始、ストーリーやアクションを引っ掻き回すのがすごく楽しくて、
冷酷に人を殺してあまつさえその犠牲者の女性を犯そうとするのに、
そのアホさが抜けきらなくてとってもコミカルになってしまってて、凄惨なシーンに何故か和んでしまいました(笑)
それとルリ子役の桃井かおりさん。
実はちょっと苦手な役者さんなのですが(しゃべり方とか、ちょっと。。。)
こういうクセのある映画では、本当に存在感があって面白かったですねえ。
引力があるというのか、彼女が居るだけで映画がそっちに引っ張られてしまうような、そんな感じ。
というか、この映画はいろんなクセのある役者たちがあちこちからすごい勢いで引っ張り合ってる、すごく乱暴な映画な気がします。
あと、日本映画なのになぜか皆英語なのですが、この辺は別に英語である必要はなかったかな(笑)
ただ、英語特有のかっこいい言い方とか、そういうのは良かったですね。
〜hun?とか、日本語にならない部分とか。
で、アクションの方は、ガンアクションもあり殺陣もあり、なかなか良かったですね。
ラスト近くの戦いが始まるシーンでは、ガンマン(伊藤英明さん)の伏せた顔からすっと表情が明らかになるシーンが
とてもカッコ良かったです。
ガンマンにしてはちょっと優しすぎる顔立ちが、帽子やコートで影を作る事ですごくドラマチックになってて、素敵でした。