最近のこと

ちょっと前からフランス語学習を始めました。英語もずっとやってて(学習期間が)長いわりにそんなもんなの?程度にしか話せないんだけど、なんにせよ飽きちゃったんだよね。学習曲線がずーっと平行、どころかちょっと間が空くとすぐ下がるし。新しい語彙はなかなか覚えられないし。と言うわけで、他の言語はどんなものかしら?と気楽な気持ちでやってみました。
が。まあ大体の初学者のあるあるだとおもうんだけど、名詞に男性名詞と女性名詞あるのめんどくせー!んですよね。フランス語の場合、単語の末尾にeが付くと女性名詞でそれ以外は男性名詞なんだそう。glace(アイス)は女性名詞だからla glaceとか、名詞が男性か女性かによって冠詞もlaとleで使い分けないとダメとか。
ということは、話す時にいちいち単語を想像して話さなきゃいけないのですな。そういうところは日本語でも漢字を想定しながら話したりするしまだ理解はできるけど、フランス語のHは発音しないとか、単語の中に発音しない部分がわりとあるのですよこれが。英語でも発音しない文字を含む単語とかあるけどさ。というか聞いてると「この単語言ってないよね?」ってやつがすごいあったりして(多分言ってるけど聞き取れてない可能性も)、単語を思い浮かべてもその通りに発音してないじゃん、うおーわけわからーん!となるのでした。
冠詞は英語でも間違えるしよく忘れるやっかいなやつなんだけど、なんで向こうの言語圏はそういうの付けちゃうんだろうね。あー。


まあでも、長年英語をやっていた成果もちょっとだけあってなんとなく文法が近い文章とかならだいたい理解できるってのはあります。それを言葉にするのが大変なんだけどね。。


と言うわけで、ここのとこフランス語の映画とかがあればちょいちょい観てたりしてました。
最近観たのはこれ。



前に映画館で予告を観て気になってたんですよね。
お金持ちの奥様のマルグリットはオペラが趣味。自宅のお屋敷でチャリティーコンサートを開いたりするほど熱心な彼女は自らも歌うことを愛していて、いつかソロのリサイタルを開きたいと夢見ていた。けれど奥様はものすごく音痴だったのです。。


ドラえもんジャイアン並みの音痴を披露するマルグリットを演じるのは「大統領の料理人」で主演を演じたカトリーヌ・フロさん。なんとなく雰囲気が似ているので私は勝手にフランスの宮本信子さんだと思ってる。のはどうでもよくて、音痴の演技もさることながら世間を知らない奥様の滑稽さ、時折見せる夫への執念のようなものを巧みに演じていました。


この映画ね、すごく面白い構造をしていてマルグリットは自分が音痴だということを奇跡的に知らないままなんですよね。それは奥様に長年支えてきた執事がいろいろ手を回していたり、貴族階級へ誰も率直に「あなた、音痴ですよ?」と気さくに進言しないという環境が出来上がっていたり、マルグリット自身も身内の前でしか歌わないという、「音痴である」という事実が何重にも張り巡らされたバリアに守られていてマルグリットはその事実に気づくことがないんです。
でもそのバリアはすごく脆くていつ崩壊するか分からない危機がいくつも訪れる。それがすごくスリリングであると共に、それに加担する執事の存在がすごく不気味なんですよね。
なんだろうな、これって喜劇としても観られるんだけどここまで徹底して周囲に事実を目隠しをされてしまったら、気づくことなんてできないんじゃないかと思うんですよね。これはインターネットなんて存在しない時代のお話だけど、世界そのものに騙されたらちょっと太刀打ちできないなあ、と怖くもなる映画でした。


フランス映画ってあんまり観てなかったけど、良作がたくさんありそうだなあ。なんだか難しいイメージがあるんですよね。(ずいぶん昔に観たゴダールがまったく理解できなかったせい、にしたい)ちなみにフランス語はあんまり聞き取れなかったのでした。まだまだ修行が足りないぞ。