最近のことと読んだ本とか

おおよそ月に一回の更新になりつつある本ブログです。

ここ最近というか、ここ一ヶ月は英語の試験があったくらいかな。あ、大学の単位はすべて取れました。やったね。
はてな界隈だけのような気もするけど、放送大学の記事がけっこう上がっていてすごくモチベーション上がりましたね(ここの学生なのです)わりと同じところ(数学とか)で苦労してたり、一人でやっても学習はできるけど詰みどころが似てると共感しちゃうな。ゲームも学習もソロプレイだから詰むとホントに進まないんだよね。。
来期は大ボスとウワサされる超苦手科目の数学取ったのでなんとか落とさないようにがんばろうと思います。あーレベル足りてる気がしない。。

 

さてここのところはゲームはあんまりやってなくて本が読みたい時期ぽいです。まあ去年末くらいからたっぷり遊んでたからなー。


最近読んだ本はこれ。闇の自己啓発

闇の自己啓発

闇の自己啓発

 

 

本はまあまあ読むけどそういや自己啓発の本とか読んだことないな、と気づきました。なんだろうそこまで自分を高めようとそもそも思ってないんだよな。休みの日は昼まで惰眠を貪りたいし仕事はテキトーに済ませてさっさと帰りたいし(笑)より良く生きる術を知ってるといいのかもしれないけど、そういうのはフィクションから学ぶ方が好きかなあ。
というくらい自分に縁遠いタイトルの本だったのですが、Twitterのわりと趣味が近そうな方が面白かったと呟いていて興味本位に手にしてみたのです。すごいね、ソーシャルメディアの販促力。

タイトルに「闇」とあるとおり、想像していたような自己啓発の内容ではなかったです。想像って言っても本屋さんとかでチラッと目次読んだくらいの想像力だけど。
「人がより善く生きるにはどうするべきか」を主眼に書かれている一般的な自己啓発を光とするなら、この「闇」は、そもそも「人とは何か」から始まって「人の枠を超えたところで「より善い生き方」を模索することはできないか」という、光の当たらない部分を積極的に深掘りしていく思索の道のりを綴ったもの、とそんな風に思いました。
なんていうか発想がSFではお馴染みのポストヒューマン的な(笑)人に焦点を当てているのではなくて、「より善い」の方に注視しているので記述の中に時折登場する思考実験内でわりと人がとんでもない事になったり、人権とは(笑)みたいな事になるのですが、そういう部分はフィクションへの想像力が刺激されてなかなか面白かったですね。
特に科学面を拾った第二部の闇の科学がSFファンとしても面白かったな。ロボットや宇宙という「ヒト」を超えた存在との邂逅が人類を啓蒙する、なんてのは古典SFからずーっとテーマにされてきたことでもあるけど、最新科学がいま正に「ヒト」の在り方を変えていってるというのはフィクションとの境界が曖昧になるようなワクワク感があって楽しい。あーポストヒューマンになりたい。でもいざ「明日からサイボーグです」と言われたらきっと「生身(ミート)」であることも捨てがたいんだろうな。生理痛がなくなるのは嬉しいけど、脳の中の雑音まで除去されるとバイオリズム的になんだか平坦すぎるな、とも思うし(「攻殻機動隊」の素子の台詞から)
それにしても「人という枠組みを外してみたら」という前提でこんなにも豊かな論考が飛び出してくると、普段いかに「人である」ことの制約が多いか逆説的に気付いたりしてなかなか刺激的な読書でした。闇が深い、そして広いぞ(笑)

 

続いては素粒子

素粒子 (ちくま文庫)

素粒子 (ちくま文庫)

 

 

これ闇の自己啓発で度々言及されててちょっと興味を引かれて読んでみました。だって、「ハーモニー」「ソラリス」に並ぶ一冊、ってこれだけ読んでないと気になるよね。
んーすごく面白い、というわけではなかったけど描写がわりと好みで読み通せたかな。なんだろうな、フィクションが好きな割にちょっとノンフィクションぽい表現の方が好きなんだよな。湿っぽいのもいいけどちょっと乾いてる方。まあいいや。
分子生物学の天才の弟と、文学的な才能がありながら身持ちを崩していくある意味文学者としては正解みたいな兄の二人を軸に「人類にとっての決定的イベント」が起こるまでを淡々と綴った物語、なのかな。どちらかというと1970年代から2000年代にかけてのフランスの社会や風俗がメインに描かれていて、その中で二人は何が幸せなのかが分からないまま幸せになろうとしてままならない、そんな言ってみれば普通の人生がお話の大半を占めています。あ、ちなみに最近大学でフランス語をやってた時に「カランバール」っていうお菓子を知って、本書でも出てきて「あ、これ知ってる」って嬉しかったな。くじ?付のお菓子らしくて、日本で言うチョコボールのようなものなのかな。
読み終わってみると、確かにこの2冊に並ぶ内容だったな、というか「ハーモニー」に名前だけ出てくる「セルゲイ・ゴルルコビッチ・ジルジェンスキー」のジルジェンスキーの元ネタはここなの?メタルギアファンはセルゲイ・ゴルルコビッチで釣られちゃったけどさらにオチてたとは(笑)
まあこの二冊と同列になるっていうことはそういうSFとしても読めるのでこれについてはあまり書くこともないけど、なんだろうな「かわいい幼なじみと最後まで結ばれない」とか新海誠監督の「秒速5センチメートル」をすごく下世話にしたような印象でした。いやなんか違うような気もするけど。。

 

闇の自己啓発でもちょくちょく言及されていた、伊藤計劃さんの「ハーモニー」

ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)

ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)

 

 
その中で人間の意識を「会議」に例えるくだりが出てくるんですよね。この闇〜も四人の発言者がいてそれぞれの視点に立った発言をしていて会議のような形式なんだけど、なぜか読んでいても個人として認識することができなかった。舞台の台本のように発言者の名前がきちんと記載されていたのに。それよりも一人の人間が脳内で思考を巡らせている過程を記述したような、そんな感じがしました。無個性というでもなく、なんなんだろうな。まあ、この「会議」が完全な合意に至って解散するようなことは……ないよね(笑)

 

そうだ、「すばらしい新世界」も読まないとな。読書ってたまに連鎖するよね。