最近のこと

だいたい月に一度のブログ更新です。

 

今回はわりと早め。でもないか。2月そもそも短いし。

まあそれはさておき、ブログを書く気になったのはなぜかというと。。

大学の単位取れました&卒業確定!となったからです!

いやーホントに取れるとは思わなかったし、取れるとしても評価はギリギリかなあ。。と思っていたのですが、まさかの最高ランク。のび太くんが出来杉くんになったくらいの驚きです。まじか。うれしい。心底うれしいんだけど、これは実力とはちょっと違うよなあという微妙な気持ちも。大学の試験て実用とはちょっと違う突破力必要なとこあるよね。

まあでも本当にうれしいです。単位取れたのもだけど、あと一学期これを引き摺らなくてほっとした、というのが本音。

そしてめでたく卒業です。あとでまとめた記事書きたいので、これまでのことはそっちにとっておくとして、卒業だけどあともう少し学籍は残しておくつもり。正直、単位を取ることに集中しててあんまり理解が伴っていないんだよね。特に数学(笑)性懲りもなく、もうちょっと続けようと思います。苦手苦手と言いつつ、やっぱり好きなんかな。

 

さて、他の最近のこと。

仕事が鬼のように忙しくてゲームはあんまりやってないんですが、本にハマってました。ちょう有名なこれを今さらながら。

 

 

初めてこの作者の作品読んだけど、いやー面白かったねえ。歴史、宗教、殺人ミステリーの最高のマリアージュ。特に探偵役の「バスカヴィルのウィリアム」修道士と、見習いのアドソのコンビがいいんだよね。ウィリアムが会話の前に「アドソよ」と呼びかけ、それに対して「師よ」と呼びかけるアドソ。なんかこの呼応がすごく心地よかった。

ネタバレの感想は最後の方に載せておくとして、父と息子のようであり、時々友人のようでもある2人のシーンが読んでて楽しかったですね。

あと、映画版も観ました。

 

 

ショーン・コネリーがウィリアム役にハマりすぎ(笑)アドソを若い頃のクリスチャン・スレイターが演じているんだけど、紅顔の美少年という言葉がぴったりで、原作同様に敬虔で純粋な、それであるが故に犯してしまった罪に懊悩する役が見事でした。

原作と映画で、このアドソの罪に関するエピソードの終わり方が違うんだけど、どっちも良かったな。原作の本当にたった一度きり、という潔さも、映画のエンディングのメッセージに繋げる巧みさも、それぞれのメディアを生かした描き方だったと思います。

 

 

作中、いろいろな修道会が出てきてウィキペディアで調べながら読んでたんだけど、アドソが所属するベネディクト会、トラピスト会と同じ会派だそうです。(原作の方。映画の方はウィリアムと同じフランシスコ会ってことになってた)トラピスト会、地元なので「祈れ働け」って聞いたことあるなあ、と思ったわ。

上は北海道のお土産でも有名なトラピストクッキー。久しぶりに食べたけど美味しかった。この本を読む時のおやつにぴったり(笑)

 

以下、ネタバレを含む感想です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この殺人ミステリー、黙示録の見立て殺人の体裁を取りつつ最後には否定されるところが印象的でした。読むと分かるけど、殺人ミステリーが本筋ではなく科学と宗教、特にキリスト教の中でも解釈の別れる清貧、そして笑うことと信仰について、などなど事件以外のことについて延々と語るシーンが大半なんですよね。

そして一番オイシイ殺人ミステリーすら、最後は「殺人が見立てられたのは偶然の産物」と切り捨てられてしまう。非見立て殺人事件なんですよね。

でも、あの環境であの状況から黙示録をイメージしないのはとても難しい。配置されたものからある規則や図を読み出してしまうのは、星座を眺めていた頃の人類ですらそうしていたくらいの、ほとんど本能のようなものなのかも。

それを追いかけて行った先で、誤った意図を辿りながらウィリアムとアドソは正解にたどり着いてしまうんですよね。それもまた偶然に。

この小説には一見、何らかの規則や真の犯人やたった一つの真実があるように読み取れるけれど、それらは全て「偶然」の一言で否定されるんです。いやーひどい(笑)

でも、ここからさらに何かを読み取るとすればそれは「謙虚さ」なのかな、と思うんですよね。簡単に読み取れるような浅はかな意図などなく、人はただ迷宮の中で彷徨いその時々に見つけた事物に無邪気に意味を見出しているだけなのかも、という視点。

誰に、何に対する謙虚さなのかは信仰によって違うと思うけど(神にでも、自然にでもどちらでも)、何かそういう人の知性には届かない暗黒の部分を示唆しているのかも、と思いました。こういう何かを読もうとする視点もまた「そういうことじゃない」のかもしれないけど。

 

あと、上の感想とはあまり関係がないけどなんかいいなと思った文を書いておきます。

こういう視点がウィリアムというキャラクターの面白さなんだよね。

地獄というものは裏側から見た天国に過ぎないような気がしてくる

薔薇の名前 ウンベルト・エーコ 著 河島英昭 訳)