最近読んだ漫画とか

先週は特に書くこともなかったのと、ゼルダが忙しかったのでお休みしてました。いやー、オープンワールド系はハマると時間とけるわね。。

 

さて、今年は年初に「積極的に漫画を読もう」と言ったとおり、早速この漫画を読みました。

 

狂気の山脈にて

 

いやー良かった。1巻の意気揚々とした冒険から未知の生命体の発見をピークに、惨劇に見舞われる展開へと転げ落ちつつ、「奈落」への探索を止めることができない狂気が全体に満ちていて素晴らしかった。そういや冒頭の蜃気楼で提示されているようにこのお話、頂上(ピーク)と底(奈落)が逆なんですよね。奈落に進むにつれてお話のピークへと至るという。

小説でも「この先どうなっているんだろう?」っていう負の好奇心をすごく駆り立てられて読んでいたんだけど、それがストレートに、さらに絵的な説明が深化させているんですよね。それに読んだだけではなかなかイメージしにくかった迷宮の件や、彼らの創世記がとても詳細に描写されていて、ここが漫画として読みたかった!というところにページが割かれていてすごく満足度が高かったなー。

登場人物では真っ先に彼らの存在に気づき、新発見に意気込むレイク教授がすごく印象的でしたね。人間として、科学者としてはごく真っ当な「狂気」を最初に抱き、これを端緒として探検隊全体に感染していく過程が丁寧だったし、後半、彼らの歴史から明らかになる「狂気」とも対照となる構成が見事。

そしてなんと言っても彼らや侵略者たちの描写がいいんだよ。もうこのために漫画買ったようなもんだ。小説でもなんとなくかたちは描かれていたけど、本当に彼らが活き活き(笑)としてて。ここは本当に絵を楽しみながら隅々までじっくり読んだなー。小説もそうだけど、この創世記のエピソードはちょっと唐突に挿入されてて急に昔話始まった感があるんだけど、ダイアー教授のモノローグや彼らの文化の隆盛の描写が丁寧でスムーズに入っていけるんですよね。こういう漫画ならではの脚色もとても巧みでした。

あと、小説ではでびっくりすることなかったんだけど、2回ほど驚いたポイントがありました。ちょっとネタバレするのでブログの後半で。

 

もう一冊はこちら

バーナード嬢曰く

たまたま新刊が出たので早速。

読書は嫌いだけど読書家に憧れる町田さわ子、ガチのSF読み神林、捻くれた視点で独自の読書スタイルを持つ遠藤君、彼らが集まる図書室の委員長谷川さんの四人がなんとなく語る本についてのお話。

キャラクターは長谷川さんが好き。遠藤君に片思い中なんだけど、当の遠藤君が気づいていなくて思いがけない言葉でドキドキしちゃうところがすごく良かった。彼女は前巻の89冊目(話)、「大聖堂」での遠藤君とのエピソードもいいんですよね。恋愛でもあるし友情でもある、本が好きで言葉が好きな彼らの間に明確に言語化できないあたたかな感情があって。笑顔でバスを降りていく長谷川さんが素敵。

そういや新刊で取り上げられてた「タイタンの妖女」、数年前から中断したり読んだりしててまだ読み終わってないやつだ。。町田さわ子の方がよっぽど読んでるわ。

 

以下、狂気の山脈にてのネタバレです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

びっくりポイントその1は4巻の82ページ、助手のダンフォースが叫ぶシーン。彼はこの時、ぱっと見てすぐに彼らが損壊していることに気づいて叫ぶんですが、そんな絶叫が出てくるほど身に迫ったものとして彼らの存在を受け入れているんですよね。ワンテンポ遅れて冷静に判断するダイアー教授との対比が顕著で、彼は一足先に狂気に取り込まれつつあるという、見事なびっくりポイントでした。ページ開いたらびくって手が震えたよ(笑)

もう1つも182ページ目、こちらもダンフォースの叫び。こちらは彼が最後に何を見ての叫びなのかは明確にはされません。彼の幻覚かもしれないし、本当にそこに悍しい(おぞましい)なにものかがいたのかもしれない。そういう得体の知れない狂気をページのこちら側にぶん投げてくる構成が素晴らしかったな。何回もページ戻って見ちゃったよ。。

さて、ネタバレついでに。この「狂気の山脈にて」が参照している、エドガー・アラン・ポーの「ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語」、読んだことはないんですが、ナンタケットといえば「白鯨」(と言っても冒頭くらいしかナンタケット出てこないけど)だなーとぼんやり考えていて、そういやエイハブ船長が戦いを挑んでいた白鯨ことモビィ・ディック。あれって本当に、鯨だったのかなとふと思ったんですよね。もしかして、ショゴス。。(なんか怖い顔しておわる)