「メタルギアソリッド」

メタルギア ソリッド (角川文庫)

メタルギア ソリッド (角川文庫)

MGS4発売に先駆けてMGSのノベライズです。
ここでの感想は、プレイした事のある人を前提としています。
というか、プレイした事がないっていう前提が想像出来ない(笑)


いやー、本を読んでてこんなにわくわくしたことはなかったですね!
思い入れのあるシーンにさしかかる度に「くぅぅー」とか「はぁぁー」とか変な声と
にやにや笑いが止まんなくて大変でした。
あまり外で本を読んだりしないけど、こればっかりは家で読んでて良かった。
家でこっそり読みたい小説。
で、ストーリーの方ですが、かなりMGSのお話に忠実です。
忠実ですがちゃんと小説ならではの面白さがぎゅっと盛り込んであって、
特にスネークの内面にフォーカスしてるのがすごく面白かったですねえ。
ゲーム中は基本的に対話でしかないので、その状況でキャラクターがどう思ったかどう感じたかは
セリフや声優さんの演技でしか分からない(無線の画面もそんなに表現豊かな感じでもない)のですが、
小説はそういうところが具体的に描かれてて、そこが良かったですね。
(後書きでもこういうこと書いてあったなあ)
それと、ゲームの中ではいつも華麗なアクションが出来なくて、デモシーンとのギャップに苦笑いするのですが、
小説は全部カッコいい!
敵兵に囲まれても間違えて匍匐したりしないし、自分で仕掛けたクレイモアに引っかかったりしないし、
バカみたいに駆け出して落とし穴に落ちたりしないし、レーションの装備し忘れでゲームオーバーにならないし(全部実話)
SOCOMをさっと引き抜いて敵を打ち抜くアクションとか、静かに背後に近づいて敵を倒すシーンとか、
敵の攻撃を華麗にローリングでかわしたり(あ、これはよくやるな)、
いつもヘタレなスネークさんばっかりなので、すごく楽しめました。
本来はこういう人なんだよ、きっと。
それに小説版オリジナルの戦闘もあったりして、ここは展開が分からないのでかなりドキドキしながら読みましたねえ。
特にマンティス戦はどうするんだろうとすごく期待してたのですが。。。いやー私は大好きですね、あーいう展開。
お約束のネタもしっかり盛り込まれてるし、ゲーム的な表現もあったりして良かったです。
ゲームとは違う描き方として、武器の持ち運びがかなりリアルに描かれてて、こちらも興味深かったですねえ。
ゲーム中は、ニキータもスティンガーも一緒に持って歩いてるけど、やっぱりあれ無理があるんだ(笑)
素人目に見ても簡単にポッケには入らないだろうなあとは思っていたのですが、
ここがちゃんと無理なく描かれてて良かったです。
さて、キャラクターの方ですが、ほぼ全員ゲームに忠実でしたが、一人、まったく変更されてしまった人が居て、
ちょっと思い入れのあるキャラだっただけに、残念でしたねえ。うーん。
お話にもあまり絡んでこないし。こういう着目点が違う所も小説ならではだなあと思います。
着目と言えば、冒頭のヘリポートでサーチライトをかいくぐってチャフの入った箱を拾うシーン。
あれを読んだ時、なんていうか「そこに注目してくれてありがとう!」という感じでした(笑)
私もあれ、必死に取ろうとしたなあ。でも、いっつも見つかっちゃうんだよなあ。
で、キャラクターに戻って、スネークがちょっとゲームのイメージとギャップがあって面白かったですねえ。
ゲームでは、暗くて、疑心暗鬼にかられてるせいもあるけど皮肉っぽいイメージがあるんですけど、
小説版のイメージはすごくアメリカ人っぽい(笑)
「わお!」とか言ったりするからかな。確かにゲーム通り皮肉ったり怒ったりするんだけど、
心理描写でもジョークやユーモアを述べてるし、スパイの「軽さ」みたいな雰囲気があって、こちらのスネークもなかなか良かったですね。


いやー、ノベライズでがっかりする事ってあると思うんですが、これは本当に作者さんに感謝ですね。
こんなに忠実に面白くお話にしてくれて、本当にありがとう!(って日本語で言ってどうする。。。)






読んでる途中で、各キャラクターのセリフにさしかかるとちゃんと声が脳内変換かかって、
声優さんがちゃんと(脳内で)しゃべってました。
自分のスペックに、本当バカかと思った(笑)