映画系女子がゆく!

映画系女子がゆく!

映画系女子がゆく!

映画系ライターの真魚八重子さんのエッセーです。タイトルとは裏腹に「女子」という単語に拒否反応を起すような人(私ですが)に向けた内容だと思います。自分や他の女性も含む「女子」のめんどくささと真摯に向き合う視点で、映画を解体していく巧みさがとても面白かったです。その視点というのも、映画評論を読んで感じるような上から目線のようなものではなく、まるで戦闘地域の最前線からのレポートを読んでいるような、ひりひりした緊張感があるんですよね。興味深いと思うと共に、私はこういうものをいかにSFで回避しているのかを思い知りました。自意識や文化といったものに真っ向から立ち向かう勇姿が素晴らしいテキストですね。
恋愛映画だけでなく、ホラー、コメディ、歴史もの、男性向けポルノなどなど、カバーしているジャンルの広さもすごい。私のように偏った映画好きにはちょっとしたジャンル入門にもなり得るなあと思いました。まあホラーとポルノは遠慮しとくけど…。