- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2002/08/21
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「夢のような」映画を撮れる監督は居ても、「夢」を撮れる監督はそうそう居ない気がします。
この、デヴィット・リンチ監督は後者の方じゃないかなあ、と観ながら思いました。
「夢」という不条理で不確かで辻褄が合わないのに心に深い感傷を残す、そんな代物を現で表現したのがこの作品。
ストーリーはなんとも不思議なというか理解が難しい展開になってますが*1、
シーンの一つ一つが幻想的で、時にエロく(激しくはないので普通に観れた)、時にミステリアスにくるくると移り変わっていく様が素敵でしたねえ。
音楽で言うとベースの部分に常に「不穏」が鳴り響いていて、主旋律のストーリーや登場人物達の表情に絡み付いているようなそんな感じがしました。
きっちりとオチを求める映画じゃないと思うので、変な感覚とか幻覚っぽい映像とか(おじいさんとおばあさんが満面の笑みで近づいてくるシーンはかなりヤバい感じがして良かった)
そういうのが楽しめて良かったですねえ。
あと、地味に光の使い方が良くて、ベティが空港に降り立ったシーンの光がすごく柔らかくてキレイでした。
*1:ていうか、理解できなかった。