不思議なお話でした。



沈んだ世界 (創元SF文庫)

沈んだ世界 (創元SF文庫)



読了するまでに、何度寝てしまったか分からない(笑)
主人公や他の登場人物達の行動が「何故!?」というのが多いけれど、
不思議な文体が妙に納得させるというか、いや納得はしないんだけど、分かるような気持ちにさせる感じですかね。
心象風景と現実の風景の重ね合わせのようなシーンや、幻想的なシーンがすごく良かったです。
置き去りにされた都市の巨大な時計の針を合わせて、誰もいない空間に鐘の音が鳴り響くっていうのが
すごく印象に残りましたねえ。
時が止まった風景に、時を知らせる音が響くっていうのがなんとも切なくて。
あと、水の底に沈んだプラネタリウムの風景とか。
あの辺のシーンは、読むというより想像する、感じるという方が近いかもしれません。
結局は、内宇宙の探索という風に読んだつもりだけど、ちゃんと読み切れてない気がする。
うーん、もう一回じっくり「寝ないで」読みたいものです。