「ブラッド・ダイアモンド」



ダイアモンドを産出するが故に争いの絶えない国があって、そこのダイアモンドは買うべきではないっていうことを
なぜだか知っていました。
昔ちょっと興味があって調べたんだと思いますが。
まぁそれを知っていたところで、映画を見るにあたってなんの助けにもなりませんでしたけども。
暴動のシーンの巻き込まれ具合が凄まじくて、音響や爆発の効果とかそういう小手先の迫力ではなく、
本当にあそこで主人公二人は死ぬんじゃないかという切迫感が印象的でした。
なんだろう、レオナルド・ディカプリオさん演じるアーチャーが持っている小さな銃が何の意味もなさず、
ただただ安全を求めて逃げ惑う、あの対処のしようのなさとか。
必死、という言葉が全編を通して現れている気がします。
少年兵のシークエンスでは、これは映画だけど多くの子ども達はこんな風に戦わされているのかと、いろいろ考えさせられましたねえ。
彼らも必死だし、それを従えている大人もやはり必死なのだという無限地獄が容赦なく表現されていて、
それに対する救済も一応は提示されるけれども、それもやはり一部の子ども達だけで全てが救われている訳ではなくて。
それでも父と子が向かい合うシーンではやっぱりちょっと感動しました。そうあってほしいと思いましたねえ。
甘いストーリー展開では表現出来ないテーマだけに、残虐シーンも多かったですが見て良かったです。
そういう人間達は必死なんですけれども、背景の大自然がとても美しくて二人が長距離行軍の真っ最中に大地に沈んで行く赤い太陽とか、
アフリカというと乾いたイメージですが緑が生い茂る山々の連なりとか、思わず魅入ってしまいました。
うーん、すごく過酷そうだけど見てみたいなあ。