「スウィーニー・トッド」



いつも思うのです。ティム・バートン監督はやりすぎると(笑)
「夢」の映画を作るのがデヴィット・リンチ監督なら、「夢のような」映画って言ったらこの人だなあと思います。
んで、今回は夢は夢でも「悪夢」。
全編に渡ってモノトーンの色彩の中に大量にブチ播けられる真っ赤な血の鮮やかさ。
死んだような衣装やメイクの役者達の活き活きとした、というか狂ったような(笑)目の輝き。
暗いお話なのに、高らかにそして時に狂気をはらんだ陽気さで歌われる歌や美しいハーモニー。
凄惨なシーンが多いにも関わらず観た後にすっきりしたのは、このやりすぎな演出のせいかもしれません。
ただ、ミュージカルとしてはとても面白いんですが、映画としてはちょっと間延びした感がありました。
うーん、ストーリーの進行が基本的に歌がベースなので、時間的なゆったりさは否めないのかもしれないのですが、
やっぱりもうちょっと映画っぽい進め方(背景や小物や違う時間軸とか)があって良かった気がします。
うーん、求め過ぎなのかなあ。
それ以外の要素は本当に申し分なくて、役者さん達の歌いながらの演技や、
陰気でありながら陽気な(?)楽曲、死者や葬式を思わせる衣装がとても楽しかったです。
いやージョニー・デップさんは本当に引き出しが多くて毎回ビックリしますね(笑)
最初はちょっと「どーなの?」と思ってたけど全然。
堂々とした歌いっぷりでした。本人は謙遜しているようですけれども。
あー、ちょっとこれ本場のミュージカル観てみたいなあ。