「キスキス・バンバン」



前から気になってて。
同名の違う映画もあるみたいですが、こちらは引退した元殺し屋といい年した箱入り息子のお話。
大人になれない「子ども」と親になれない「大人」の向かい合う姿が、ユーモラスに描かれてて楽しかったです。
常時しかめっ面のフィリックス(殺し屋)に対し、無邪気に「地雷」を踏むババが良かったなあ。
フィリックスの渋面に怒りマークが見えそうで、「ああババ怒られちゃうよー(笑)」とか思いながら観てました。
それに、二人が「悪い事」するシークエンスも、ほのぼのしてて素敵でした。
「男ってのはなあ〜」と熱心に教えるフィリックスに対し、初めて見る雨を大切そうに箱にしまうババ。
全くかみ合ってないけど、それぞれが満足してるっていう(笑)
サブストリームとして、殺し屋組織のストーリーも同時に描かれているのですが、それが思いっきり「殺し屋」感溢れてて楽しかったです。
そもそも、フィリックスのベタベタなハードボイルドスタイルがかなり面白くて、今どきトレンチコートにソフト帽ってのがかなり良かったですねえ。
殺し屋組織のアジトも「アジト」感溢れてて、その割にはちゃんと掃除機かけてたりしていい具合に突出した作りとハズしが効いてて面白かったです。
新人の殺し屋ジミーもビジュアルにボンド風味が効いてたし。
ただちょっと、このジミーの行動の動機が見えにくかったかなあ。
もうちょっと動機にインパクトがあれば面白かったかも。
それと、音楽もなかなかステキで、ポップなメインテーマも良かったけど、ラストの銃撃戦の楽曲がかなり良くて、カッコ良かったです。
ほのぼのしたドラマとしても、ちょっと度が過ぎた殺し屋映画としても楽しめる不思議な映画でした。




フィリックスの役者さん、すごく観た事あるなあと思ってたら「パイレーツ〜」でブーツストラップ・ビル役で出演してた方でした。