「攻殻機動隊2.0」

ちょっと気持ちがユラユラすると、だいたいこの映画を観てます。
もう何回観たのかは分かりません。
最初に観たのはもう10年くらい前かな。当然、劇場でなんて観てなくてレンタルビデオで観て、
あまりに内容が理解出来なくて10回くらい観た覚えがあります。 
内容は未だにちょっと不確かですが、当時、流行してたアニメーションとはまったく違うキャラの描き方や、
背景の作り込み、意味深で印象的なセリフやオープニング/エンディングの不思議な音楽に、
すっかり魅了されました。


で、今回の2.0です。
前回、人形使いは男性の声優さん(家弓家正さん)で、外観の女性型とのギャップがそのまま
殻と魂を表しているように観えててとても良かったし、
女性型に男性声という違和感、不思議さがその内包している世界の異質さ、奥深さを表現してるみたいで
すごく好きでした。
今回の人形使いは女性の声優さん(榊原良子さん)ということで、観る前にイノセンスでハラウェイ博士を演じた方だと聞いてて、
すごく期待してましたが、こちらもすごく良かったです。
人形使いの異質さ、ネットで生きる生命としての生理みたいなものが囁きや彼女の平坦で乾いた言い方で表現されてて、
同時に素子の立ってる地平まで降り立ってくるような柔らかさもあったりして、
男性人形使いが天上から手を差し伸べてるイメージなら、女性人形使いは迎えに降りてくるような
そんな感じがしました。
原作にも確か素子が相対するコマがあったような気がするんですが*1、それにちょっと近いかな。
劇中の「私たちは似た者どうしだ」という言葉が、鏡を覗き込んだように、現実とネットのあちらとこちらで相対している、
そんなイメージに結びつきました。
異性ではなく同性の融合という構造になることで、今回は女性としてのというより個人の「魂」という側面が強くなった気がします。
うーん、女性同士の恋愛と言う見方でもいいんですけどね。なんとなく色っぽい感じもしたし。
でも、そうするとバトーさんがすごくかわいそうなんで(笑)


音については本当にがらっと変わってて良かったです。
最近、ジャックインする時の効果音や、機械音に少し古さを感じ始めてて、
長く見続けてる映画だからなあと思っていたのですが、
それらが大迫力の音に生まれ変わってて嬉しかったです。
画については、3Dで作り込まれてるシーンや追加シーンが思ったより多くて、新鮮で良かったです。
ネット世界の描写や、輸送機などのオブジェクトなどはすごく良かったんですが、
キャラクターの3D化がちょっと違和感が残る感じでした。
全編3Dならあまり気にならないかも。2Dとの混合だからかな。
オープニング/エンディングはかなりゾクゾクする情報量で一新されててすごく良かったです。


今後は恋愛ものとして観るなら1.0、個人のドラマとして観るなら2.0という観方になりそうです。
早くブルーレイで出ないかなー。

*1:手元になくて未確認です。