「チェンジリング」



観てからちょっと時間が経ってしまった。。。アンジェリーナ・ジョリーさん主演の、子どもの誘拐にまつわるサスペンス。


映画を観てこんなに消化できないのって珍しいなあ。というわけで、ちょっと感想が上手くまとまらないけど(いつもかな)、書いてみます。
主演のアンジェリーナ・ジョリーさんですが、行方不明になった息子の身を案じるという役どころはすごく良かったです。彼女は華やかな印象があるのですが、その彼女が顔をぐちゃぐちゃにして泣いたり、理不尽な現実に狼狽えたり憤慨したりする演技が本当に素晴らしかったです。この異常事態がどんなに酷いのか、彼女の演技にかかっている部分はとても大きかったと思うんですね。その歪んだ世界に接した時の狂気には、胸に迫るものがありました。
この子どもの捜索がストーリーの主軸となっているのですが、この映画ではもう一つ、「正しい世界」についても語ってしまっているんじゃないかな、と思います。「正しさ」という誰もが共有する価値観が歪んだ時、その正しさがどれだけ曖昧かって言うこと。そして「正しい」という共通の認識それ自体も、実際は個々によって全く異なるということ。「正しさ」の中に在る時は平穏だけど、それが歪んだ時、地獄が訪れるんじゃないかなあ、と思いました。後半の「地獄」というキーワードで語られるシーンでそう思ったのですが、この辺が上手くまとまらないで残ってしまいました。またいつか観た時に、まとめられるといいな。