「イングロリアス・バスターズ」



クエンティン・タランティーノ監督の最新作。観てきました。


はああ。映画って、止まらないんですよね。何をバカなこと言ってるのかと思われるだろうけど、本や漫画と違って途中で止めることが出来ないんですよね。そりゃ家で観てれば一時停止にすることができるでしょうけど、そもそも映画は途中で止めるようには作られてない。止まらないから、その流れの中でひっかかるものをちゃんと拾い上げて言葉にしていこう。と、いつも思ってるんですけども。いやあ、今回は見事にスルーですよ。あらーって言う間に映画終わってました。『面白くなければ返金します!』みたいなキャンペーンやってたけど、かと言ってそれほどつまらなくもなかったんですよね。正直に言えば、微妙でした。
シチュエーションギャグ(ていうのか、「場」そのものに笑いがあるやつ)でのブラピのしょっぱい顔とか、ナチ側の大佐のはっちゃけすぎな笑い方とか、面白いなあと思えた部分はたくさんあったし、行き過ぎなグロい悪ふざけとかPG-15指定にしてるくらいだからもっとあってもいいんじゃないかってくらいだったんですよね。むしろ胸焼け起こすくらいのバイオレンスを期待してたのがまずかったのかなあ。偏見覚悟でタランティーノ監督の作品って、「腹いっぱいになるくらいの暴力とおふざけ」という印象が強くて、細部は雑かもしくは細部にも執拗にネタを仕込むような感じかなと勝手に思っているんですが、この映画ではつなぎのシーンも丁寧な作りで、ええなんで?とか勝手に不満を感じてました(笑)あれー?タランティーノってこういう監督なの?緊張感のあるシーンの盛り上げ方はさすがに面白いなあと感じたけど、本当に面白いところを全部見逃してるみたいで、なんだか観終わってからもやもやが晴れません。前の作品を観直して、一度タランティーノ監督作品のイメージを再構築した方が良いのかなあ。