「METAL GEAR SOLID PEACE WALKER」



!!! 物語の感想のみです。攻略はありません。!!!


世界を平和にするためにはどうすればいいでしょうか。答えは簡単です。誰も武器を持たなければいい。銃を空にでも放り投げれば済むのだけれど、実際には誰もそれをしない。なぜならそこには捨てきれない他人への不信があるから。お隣さんが武装しているとしたら、こちらに敵意がなくても身を守るものを必要とするのは自然なことです。そして抑止力とは皮肉にもこの他人への信頼によって成り立っています。「やったら相手もきっと同じことをやり返すだろう」という温度の低い信頼。しかしそんな敵意に基づく信頼なんて脆いものです。(まあ驚くことにこれが意外な強度でかなり長い間二つの大きな国を支配していたわけなんですが。)
信頼することもできないし、信頼できても脆弱なものでしかないなら、平和なんてどこにもない。今回の物語はそのことを包み隠さず真摯に語る、そのことに全力を尽くしているように思います。それはもう徹底的に、何もせずに平和を期待している世界に向けて、大きな声で。だからエンディングで私は、ある種の絶望を感じました。平和を実現するということは、決して捕まえることのできない蝶を追いかけているのと同じことなのかもしれません。けれどその絶望を物語る行為そのものにこそ、希望があるのだと思います。平和を実現することは難しいかもしれないけど、平和を目指すことはできる。それぞれの方法で。そんな儚い希望が込められてる気がします。その一つの希望がまた別の絶望を生み出したのは、もうそうなるべくしてなったとしか言いようがない、そんな無常を感じました。
ゲームについて:
先日もちょっとだけ書きましたが、今回はかなりきつかったです。特にボス戦はミッション中の短期的戦略と、展開を進めて行く中での長期的戦略の二つが揃わないと難しかったですね。それでもアクション苦手な私は、最後のボス戦の機敏な動きについていけなくてえらい苦労しましたが。(年のせいかなあ)もう二度とクリアできる気がしません(笑)各ミッションの難易度は割とゆるくてその点はとても助かりました。やっぱりこそこそしながら進んで行くのが性に合うな。
演出について:
この作品、シリーズを振り返ってみてもちょっと突出してるんじゃないかというくらい、煙草の表現が随分と多かったですね。一応今作の指定は15歳以上なのによく通ったもんだ。それとMGSと言えば拷問。いやあ笑ったわ。