トロン・レガシー

コンピュータ技術者のケヴィン・フリンは「グリッド」と呼ばれるコンピュータ世界を創造し、いつか息子のサムにそこへ連れて行くと約束する。しかし父はその言葉を残したまま失踪し、残されたサムはいつかそこへ行く事を夢見ていた。

コスチュームを見た瞬間、びびっと私の「ださい」センスが反応したのは言うまでもありません。というか「コンピュータの世界に入る」そのことそのものがださい。そしてださいと感じながらもすごくその感覚が懐かしいんですよね。かつてコンピュータ技術は、その可能性ゆえに過剰に夢を担っていたと思います。もしかしたら人と対話できるようになるかも、とか生物のように進化するんじゃないか、とか。今では人ときちんと対話するのはちょっと難しいとか、コンピュータ独自で進化するのはちょっと、みたいにだんだん可能性が削られて来ているんですね。それ自体嘆くことではまったくないのだけれど、こういうどーんと過剰に「あれもこれもできるよ!」っていう夢に溢れたものってすごくいいな、と思いましたね。ビジュアル面ではその「かつて夢見た未来感」をうまく現代の感覚に合わせてあったり、まあでも私はもっとださくてもいいかなと思いましたが(笑)
それと敵のボスがコンピュータ世界の住人であるプログラムの群衆にむかって「プログラム達よ!」と演説したのには鳥肌が立ちました。こういう人間ではないものにたいしてあたかも人間であるかのように働きかけるという部分にも「だささ」があって好きなんですよね。

物語のベースは父と息子の物語という普遍的なテーマであり、あまり「テクノロジーが〜」とか考えなくても入り込みやすいかなと思います。父親役のジェフ・ブリッジスがとても良かった。