RED/レッド

アメリカの諜報機関CIAを退職したフランクは、悠々自適で退屈な年金生活を送っていた。そんなある日、自宅を襲撃されたフランクは事の真相を探るべく、かつねの仲間を訊ねることにする。

恐らく世界一ネタにされている組織なんじゃないかな、と思います。アメリカ中央情報局。CIA。最近は、「ボーン・アイデンティティ」のようにCIAエージェントが主役というよりも、その回りで活躍する感じの作品が多いような気がします。やっぱり今はそういうダイレクトなヒーロー像は作りにくいのかなあ。この作品も、過去冷戦時代にやっていた「スパイ合戦」をネタにしているし、直球でスパイなんてのはもはや「007」だけなのかなあという気がします。(あ、「ミッションインポッシブル」もあるか)
展開はわりとゆるくて笑いの温度もそれほど高くない感じですが、アクションでぐっと引き締めているバランスがなかなか良かったです。なんだかんだ言ってもやっぱりハリウッドのドンパチ映画はこれくらいやって欲しい。まあもうちょっと「おおーっ!」ていう驚きが欲しかったですが。
この映画でなんと言っても一番の見どころは、麗しの殺し屋ヴィクトリア(ヘレン・ミレン)でした。前に観た映画「消されたヘッドライン」で、やり手の女性編集長を演じていて、あのラッセル・クロウと堂々と渡り合った演技がすごく素敵で印象に残っていたのですが、今回のこのキュートさと残忍さをエレガントに切り換える演技が素晴らしかったです。いやあ、ホントに人を殺す顔ってあんな感じじゃないかな(笑)輝くブロンドに真っ白なドレスで凶悪な大型銃構えたり、ファッショナブルなカムフラージュのコートだったり(スナイピングのシーンがオシャレすぎて笑った)すごく面白かったですね。