エルシャダイ

El Shaddai ASCENSION OF THE METATRON - PS3

El Shaddai ASCENSION OF THE METATRON - PS3

久しぶりに新作タイトル買ってみました。

天界から降りた堕天使たちを捕縛するため、大天使ルシフェルや四大天使たちの助力を得ながら、堕天使たちの手によって極度に進化した幻想的な地上世界を旅するイーノックの物語。

アクションなのでクリアまでさほど時間はかかりませんでした。「さほど」ってRPGとか10時間単位でかかるゲームと比べてですけど。まあアクション苦手なので、序盤でルシフェルさんに「7時間くらいで行けるしょ?」って言われたけど倍くらいかかりましたが…。

ゲームについて:
モードはEASYで。走る、飛ぶなどの基本アクションじたいはさほど難なく覚えられたのですが、このゲームってやたら画面に霧みたいなのとか、3次元に2次元アニメーションでレンダリングされてたりして、すごく見づらいんですね。それでジャンプした時の着地の目測を誤って死ぬほど落ちました。あああごめんよイーノック(笑)大丈夫じゃないよね。問題ありだよね。でもすぐにゲームオーバーにならずに素早くリトライできるところがとても良くて、ついつい白熱して、熱上がっちゃって余計に落ちたりしてました。ははは。飛び石ジャンプの他にも、移動物の上をジャンプしながら、とかだんだん基本アクションの難易度が上がって行くレベルデザインも、挫けない程度に難しくて攻略しがいがありました。しかし最近のゲームのこういう難易度設定の精度ってすごいのね。前にNHKスペシャルでやってた「ゲーム革命」という番組で、モニターを専門に請け負う会社があるってやってたけど、そういうところからのフィードバックをきっちり反映させてるんでしょうねえ。基本アクションで一番腕がもげそうになったのは(笑)、最後の方にあった、一定時間(短い)乗ってると降りてしまう2面の床の間をリズミカルにジャンプしながら上に登って行く、というやつ。言葉にするとすごく伝わりにくいのですが、忍者の壁登りみたいな感じで右、左と向きを変えながら三角飛びに上方向にジャンプして登るやつが、途中でリズムが崩れてしまってなっかなか登れませんでした。たぶん、30回以上トライしてるわ。と、二周目やった時にはなんとこれが一発で行けたんですよねー。なんだろう、熱上げ過ぎなのか…。
一方バトルの方はさほど苦労しませんでした。まあEASYですからね。イーノックの持つ三種の武器(剣、飛び道具、殴り)がそれぞれじゃんけんのように敵の弱点に対応していて、機転をすぐに操作に結びつけられるのは楽しかったですね。ボス戦も「このボスはこれ!」っていうのを見つけるのが面白かったし、見つけた後に技が出やすいのでもうぼっこぼこにするのがすごく爽快でした。それとジャンプ失敗時のリトライのように、バトルで体力なくなっても連打で復帰できるのが良かったです。連打で生き返るって、なんか操作的にすごく納得できるっていうか、まだ諦めてないぞ!って感じがしていいですよね。ちなみに生き返った後に、何事もなかったようにイーノックはあの決め台詞言ってるのが、面白くて一緒に叫んでました。それと敵の打撃を喰らうと、イーノックの鎧がぼろぼろと壊れていって、最後にはジーンズ一丁になるっていう、おおお、死ぬわー!って感じがすごく緊迫感があって良かったです。

デザインについて:
今までゲームでは、表現のリアルさにばかり気を取られていたように思います。人間の髪の毛や皮膚の皺、水の波紋や雲の柔らかさなどなど、デジタルなイメージを自然なリアルさに近づけようという試みはある程度は達成したのではないかと思います。そういう中でこのゲームでは、そのコンピュータが再現するリアルさを素材に別のものを描いたのではないかと思いました。いやーゲームってこういう世界も表現できるんだなあ、とすごく新鮮でしたね。基本的には3次元なんですが、そこに独特のタッチの2次元をブレンドしている感じ、と言えば良いんですかね。ゲームすきなのにこういうのあまり詳しくないんでうまく説明できないんですが。昔懐かしい横スクロールアクションのステージがあったり、スピード感のある3次元の立体のステージだったり、個々の画面設計がすごく個性的で楽しめました。こういうのって絵や動画だけじゃきっと伝わらない素晴らしさだと思うんですよね。実際にその空間内でキャラクターを動かしてみて感じる驚きとか、新鮮さだと思います。特に良かったのは、堕天使たちの居城であるタワーへ続く道のステージ。お祭りをしているという設定で、背景に花火が上がったり、タワーが威圧感を放っていたり、そのステージで流れるカーニバルで皆が合唱しているような楽曲だったりが、すごく「こんなのやったことないわ!」という未知の感覚があって楽しかったですね。まあ序盤なので敵もあんまり出てこなくて、わりと背景とか見てる余裕があったってのもあるのですが。後半のステージは攻略に夢中であんまりちゃんと見れてないと思います(笑)なんていうかぶらぶら散歩していたい空間なんですよね。クリア後でもいいから、そういう攻略とか考えなくていいようにしてくれたら良いなあと思います。

キャラクター・物語について:
指をぱっちんぱっちんさせながらケータイでしゃべってばっかりでろくな情報をくれないチンピラに導かれて、聖衣(クロス)を身に着けた金髪褐色肌の兄さんが、にょろにょろした妖怪の上に乗っかる子どもを追いかけて行ったら、戦う前に必ずポーズを決める愛の伝道師や、豚を飼ってるおばさんとか、喧嘩ふっかけてくるおじさんと出会ったり戦ったりしていたら、マイケルジャクソンが出て来て、ダンスバトルをしたら地獄に突き落とされた。地獄を彷徨ってたらチンピラにそそのかされたMJが助けに来てくれて、救い出されたけどいろいろ引きずってるうちに、子どもが大人になっておばさんと戦いだした。その戦いに加勢したら地獄からMJが蘇ってきて戦って倒したら、ありがとう言われたあと、おじさんと戦って勝った。

これが、私の理解した物語の全容です(笑)まあ嘘ですが。えーとお話がよく分かりませんでした。二周したら分かるかな、と思ったのですがやっぱりよくワカラナイ。分からない原因ははっきりしていて、この物語ってイーノックが自分から語らないんですよね。というか、イーノックのセリフって「大丈夫だ、問題ない」とか、ちょっとしかない。ほとんどルシフェルがべらべらしゃべるのですが、その視点が限られているせいか全体像を把握するのを邪魔しているんですよね。ゲーム中でレアアイテムとして物語の背景を示す書物をゲットできるらしいのですが、それをコンプリートしたらもっと理解できるのかなあ。イーノックのアルマロスに対する気持ちはなんとなく想像ついたけど、ナンナとの関係がいまいち見えてこないし、ナンナ自身のこともちょっと追えなかったですね。他のキャラクターは好き勝手にしてもいいけど(笑)、この三者はもう少しいろいろ知りたかったです。