All You Need Is Kill

All You Need Is Kill (スーパーダッシュ文庫)

All You Need Is Kill (スーパーダッシュ文庫)

ハリウッド映画化ってことで今話題なんだけど、むしろ帯の神林長平さん絶賛の方がアピール高かった(笑)。まあそれはいいとして。
前に文化評論関係の本の中でネタバレ付きで引用されていて実は読む前にだいたいの話は分かってたんだよね。でもリトライというゲーム的な仕掛けと、少年漫画の王道展開を融合させる技巧が面白い。本読むの遅いんだけど一日で読み切ってしまった。ゲームに漫画、どちらも親しんでいればおなじみの「お約束」なんて使い古されているって思うのに、それをこんな風にかけあわせて新しいものを生み出すのはすごい。先日読んだ「エンダーのゲーム」が最後の一機で勝ち続けなければならないゲームだとしたら、これは勝てるまで止められないゲーム。いつの間にかゲームには昔あった意味での「ゲームオーバー」というものがなくなってしまった。諦めなければクリアできるゲームを、最後までクリアしようとする時に感じるあの重さ、ゲーム内のスキル以上に求められるモチベーションがどんどん減って行く苦しさが、そのままこの物語全体を包んでいるんだよね。そしてそれは私にとっておなじみのもの。

それにしてもトム・クルーズ主演って、あの主人公をトムがするの?もう画面に出た瞬間に「強い」んだけどなんか大丈夫なのかな。まあ小説通りにはならないだろうから気にしてもしょうがないか。それより監督がボーンシリーズのダグ・リーマンだったと思うけどこちらはアクションに期待大だなあ。