ウィッチャー3 ワイルドハント

クリアしました。でも、なんだかバットエンドっぽい気が…。最近のゲームはやり込み要素がたくさんありすぎて、やりたいクエストだけを選んであとはメインクエストに必要なところだけをやったんですが、やっぱりやっとけば良かったなあと思うクエストがいくつか。もうねー時間がいくらあっても足りないよう。ちなみにクリアまではおよそ150時間でした。まあゲームオーバーしたりしてるから、実際は2割増くらいだとおもうけど。

ゲームシステム

回復アイテムを使ってもじわじわとしか回復しない(他のPRGのように一瞬で大きく回復しない)、宿屋で休んで回復という概念がない、戦闘が終わってもダメージを受けた状態が続く、などなどこれまで遊んできたRPGとはずいぶん違うシステムにかなり戸惑いました。あと、基本的にアクションなので敵の攻撃を避けたりガードしたりをしないと、格下の敵でも一撃で大ダメージ喰らうし、なんなら死ぬしで大変でした。最初は回避もままならないわ、ガードのタイミングも分からないわで死にまくりましたが、最終的にはボス戦で回避しつつ後ろに回り込みクリティカルを出せるまでになりました。ははは、よくやったなあ。ちなみに難易度は、普通?(下から2番目)でした。
その他、戦闘では攻略がいろいろと用意されていて、敵の種族ごとに弱点があったり、こちらも武器や装備にアドバンテージを付加できたりと楽しみ方がいろいろあって面白かったです。そうそう魔法もいろいろあって、序盤はイグニ(火炎攻撃)をけっこう使いましたね。後半はクエン(防御強化)が大活躍。それと序盤はお金があんまりなくて、装備もかなり貧弱だったのがちょっと辛かったかなあ。王様からお金とか貰えないのよね。その代わり、その辺の野草を拾って調合したり、倒した敵の武器を拾ったりできるので、なんとかそれでしのぎました。瞑想というコマンドもあるんだけど、これがいまいち分からなかった。体力回復は分かるけど、なぜかアイテムも補填されるんだよね。目を瞑ってるだけなのに、どこからアイテム出てくるの(笑)
死ぬのはまあいいとして、再開までのロードが長いのが残念なポイントでしたね。あんまりゲームオーバーになることは考えられてないのかな。それとカメラが若干ふらつくのも、酔いそうで良くなかったです。だいぶ慣れたけどね。
移動もオープンワールドであることがきちんと考えられていて、ファストトラベルが細かく設定されているのは良かったです。まあでもあの世界を馬でぽくぽく行くのもけっこう楽しかったのでわりと馬乗ってたけど。

ストーリーについて

主人公は怪物退治の専門家、ウィッチャーであり、他にもエルフ、ドワーフ、魔術師などなどが登場するファンタジー作品ですが、ニルフガード帝国と周辺国の軍事的な衝突が背景にあり、さらに世界は破滅の予言が成就しようとしていたり、ワイルドハントと呼ばれる異世界からの幽鬼の軍団がエルフの血脈を持つ女性シリラを追って来たりと、かなり奥行きのあるものになっています。また種族間の差別があったり、魔術師たちが不当に迫害されていたり、人間社会の中でも貧困の差があったり、難民が路頭に迷っていたりと、えーファンタジーでここまで切り込むのか、とちょっとびっくりしました。その中で主人公ウィッチャーのゲラルトは、そういう世界から少し距離を置いた存在です。まあ言ってしまえば、ハードボイルド小説の探偵のような位置ですね。彼は報酬と引き換えにウィッチャーとしてほんの少し人間を超越した力を行使して、そういう社会と関わって行きます。ある時は盗賊に捕らえられた商人を助け、ある時は街角でちんぴらに絡まれている踊り子を助け、ある時は森の中で珍しい怪物の子どもを助ける。本来、もっと大きな組織、この場合は国がどうにかしなければならない部分を担っているんですよね。そういう困りごとに関わって行くうちに、私はこの物語を慈悲を与えるもの、と考えるようになりました。ゲラルトが受けた仕事には、これが絶対の正義だと言い切れないものも多くあります。それでもプレイヤーはどれかを選択しなければなりません。対立する勢力の、どちらの味方につくかによって片方が不幸になることもあり得ます。そういう時に、正義というものはあまり役に立ちません。物語のなかでは宗教も一つではなく判断の拠り所というのは結局は個人に委ねられているんですよね。なので、私はいかにそれぞれのエピソードに慈悲を与えられるかを判断基準にしました。慈悲というとなんだか大げさだけど、「めでたしめでたし」で終われるかたちにすること、人に語れるお話にできるかどうか、ということですね。例えば恋人に裏切られて怪物に成り果てた女性には真実の愛を、王位継承争いにはできるだけ穏便なやり方を、時には盗賊まがいのこともしたし、金で解決したりもしました。こういうのってやっぱりゲームの醍醐味ですよね。だって現実にはできないもの(笑)だからあまり大局を考慮しないで目先のことだけを考えてプレイしました。それがゲラルトという個人が介入する理由だと思うから。


メイン以外で印象に残ったクエスト3つ:

  • おばさんのフライパンを取ってくる

チュートリアル的なクエストなんだけど簡単だったし、おばさんが喜んでくれて面白かったです。

  • 金切り鳥

気軽に引き受けたらえらく苦労しました…。倒した時の達成感と、依頼した人に喜ばれたのがよかった。

  • 祈祷師のヤギ(プリンセス)捕獲

ウィッチャーは怪物を退治するだけでなく、こういうこともやるんだなあとびっくりしたクエスト。まあイベント戦闘もあったんだけどね。プリンセスが可愛かった。

キャラクターについて

実は、というほどでもないんだけど、このゲームを買った動機はジャケットのゲラルトのビジュアルが素敵だったからです。ジャケ買い。というのは半分で、ゲーム系ブログでストーリー面での評価が高かったからでもありますけどね。もうねーこういう顔に傷持つおっさんだいすきなのよ。これはたぶん好きなやつだ、と自分の直感を信じて買って正解でした。
まずはゲラルトと美女たちの関係。これがねえ、ほんといい。あーかっこいいおっさんには、やっぱり美女だよ。桜餅と緑茶、ビールに餃子くらいのマリアージュだよ。恋人イェネファーとの軽く手玉に取られてる感じもにやにやしちゃうけど、元カノのトリスとちょっと苦い過去があったけど今はいい関係っていう、大人な感じがもう最高。そしてトリスおっぱいでかい(関係ない)今回のプレイではこういうロマンス関係が楽しくてクエストもやり込みました。キーラとのさっぱりした関係も好きだったよ。
それとヴェセミルやランドールたちとの、熱い展開も素晴らしかった。ランドールのクエストを中途半端にしてしまったのが悔やまれる…。ロマンスだけじゃない、時にはバディものの男っぽい見せ場も用意されているなんて最高すぎる。
さらに「娘」シリとの関係もすごく丁寧に描かれていて良かった。実の娘ではないけど、養父として彼女を守りたいと願うゲラルトの気持ちがひしひしと伝わってきて。ゲラルトにはシリが世界を破滅から救う救世主だとか、そういうことはあまり関係がないみたいなんですよね。ただ父親としてしてやれることはすべてしたい。それだけなんだと思います。その純粋な気持ちがストーリーを駆動させていくんですよね。
一人の男、父親、恋人、相棒。ここまで多彩な表現を見せたキャラクターはなかなかないんじゃないかなあ。ほんとピンポイントで私のシュミが狙い撃ちされてる(笑)そんな多彩な表情の中でも、一番好きだったのは戦う前に、剣をくるっと回すところ。ちょっと気合いを入れる時の仕草だと思うんだけど、それがすごくかっこよくて大好きでした。
ゲラルト役の山路さんがキャラクターにぴったりだったのも素晴らしかったですね。基本的にあまり感情の起伏がないキャラクターなんだけど、ちょっとおどけてたり怒ったり、愛情を込めていたりと細かい演技がとても良かったです。それと恋人イェネファー役の田中敦子さんも、いい女っぷり全開でよかった。ゲラルトとの掛け合いがすごくロマンチックで素敵でした。