BLAME!

観てきました。面白かった!
新装版も揃える程度には漫画も好きで楽しみにしてました。まずはお話が分かりやすくなってます。漫画の方は絵だけで進めていることが多く、文字による説明が少ないのでちょっと見落とすと意味が通じなかったりする、割と難易度の高い漫画だと思うのですがアニメーションではこの辺のレベルがぐっと下がっていました。都市がどんな状態なのか、そこで暮らす人々の問題や状況、そして心情などが、視点を主人公の霧亥(キリイ)ではなく部族的な生活をする人間の側、ヅルやおやっさんに寄せることで彼らの会話や行動からちゃんと読み取れるんですよね。絶滅の危機の淵にあっても諦めずにサバイバルしつつ、1日の終わりに火を囲むなど人間の原始的な文化的遺伝子を細々と伝え続けるなど、ここは漫画とは違う面白さがあって良かったですね。なによりおやっさんが意外と活躍しててくれてよかった。漫画よりちょっと真面目な感じだけど、すごく好きなキャラクターの一人です。
一方で霧亥の厄災的な立場というか、人間の人智を超えた存在感が割と増幅していて、ここもけっこう良かったです。漫画よりヒロイックな感じ。まあちょっと音とかやりすぎな感じもあったけど(笑)。彼は本当に、おやっさんたち人間の思いや希望といったものとは別の、とてもシンプルな意思で動いていておやっさんの呼びかけに応じているようでいて、単に名前を呼ばれたから反応しただけとも取れる、そういう整合性がきちんとしているところに好感が持てました。
アニメーションならではの表現としては、歩く速度が思っていたよりもゆっくりなんだな、という発見があったことですかね。その静かさと戦闘時の機敏さのギャップがすごく面白かったです。


で。キャラクターに焦点を当てているせいか、あんまり都市の大きさや構造のカットが少なかったのが唯一の残念なところですかね。この作品のなによりも魅力的なところは巨大構造物、メガストラクチャーがどこまでも広がっている世界にあると思っていて、それがあまり出てこない、というか物足りないなあと感じました。
まあでもね、重量子放射線射出装置(名前むずかしい)のまっすぐな直線が都市を切り裂いてどこまでも伸びていくシーンはすごく良かったし、これが見られただけでもほんといい体験だったなあ。

これ東亜重工編とかやってほしいなあ。メンサーブとかセウとか出してさあ、東亜重工のどでかいシリンダーをずどどどーんとやってほしい。。