メッセージ

原作小説も大好きでさらに大好きなジェレミー・レナーさんが出演ということで、どの神様に感謝したらいいんだ!ってくらい(私的に)お得な映画なのでとても楽しみにしていました。

なんだろうね、ほんとね、ありがとうございます。(誰に)すごい。ストーリーなど原作から改変されている部分もあるし、宇宙船(?)は公開前からお煎餅の「ばかうけ」として定着してしまっているんだけど(笑)、原作のエッセンスをきちんと取り込んでいるし、映像や音楽がとても美しくて素晴らしい映画でした。
ファーストコンタクトものでもあるんだけど、時間の概念を扱ったお話でもあります。映画ってまあ普通に連続的な時間を扱う媒体なのですが、インサートのつなぎやオーバーラップをうまく使って、時制から解放された物語が巧みに表現されているんですよね。
物語も小説よりも情感のある切ない描写がほんとに良くて、映像の美しさと音楽の相乗効果でとても印象的でした。



ネタバレ







時制から解放されると言っても、やはり人間は因果というものを基本に考える種族なんですよね。「未来を思い出す」ことが出来るとして、そこに起こる悲しい出来事を因果律を無視して考えるということは難しくて、どうにかできないものなのか、とか足掻いてしまうのが人間だと思います。
その一方で、私はこの物語に救われたなーという一面があって、結果がすでに決まっていて、そこに光の進路と同じように最短で進んでいるのだとしたら、もうそれに乗っかっていくだけでいいんだと、そう思うんですよね。自分で決めていない道のりに意味はないなんて、そんな風には思わなくて、今ここで私がそう在ることだけに意味があって、その蓄積に意味はないんだな、とそう思うとずいぶん楽になれたような気がしました。原作もほんとおすすめです。