「Angels and Demons」

Angels & Demons (Robert Langdon)

Angels & Demons (Robert Langdon)



読み終わるまで、ほぼ1年くらいかかってます(笑)
さっき検索したらTOEICスコア740くらいのレベルにカテゴライズされてました。
スコア500台な人なので、凝った言い回しや頻度の低い言葉が出てくると、ちょっと困ってしまったけど、
おおよその流れは掴めました。うーん、掴めてると思う。。。。はず。


お話の方は、最初の200ページくらいまで主人公のラングトン教授が全然活躍しなくて、
相棒のビトーリアの側でぽけーっと突っ立てるだけで、ここまで読むのが一番辛かったです。
200ページて。。。(全部で約600ページ)
その後、古文書の謎解きが出て来てようやく先生活躍かなー?とワクワクしたところで、
また、だらだらっとトラブルに巻き込まれて、ここでも停滞。
でもその後、暗殺者を必死に追いかけて行くくだりは、謎解きと暗殺者の正体がチラチラしたり、
イムリミットの描写などがあったりして、サスペンス要素がとても面白かったです。
謎解きはもちろん巻頭の地図を見たりしながらじっくり楽しみました。
脇を固めるキャラもなかなか良くて、常に無表情で何考えてるか分からないオリビッティ(スイス警備兵の長)とか、
物静かながら時に強い意思を見せるカメルレンゴ(ずっとカメレンジョって読んでた。。。)とか、
物語の横をチョロチョロしてひっかき回すBBCレポーターとカメラマンとか、
あと、車いすの天才ケーラー博士(こっちもコーラーとかコラーとか読んでた。。。)とか、
彼らの現在だけでなく、過去もきっちり描かれてそれが物語に濃密に絡んで来てて、すごく面白かったです。
あんまりネタバレしないように書くと、タイトルのAngelとDemonは、科学と宗教を示しているとも言えるんですが、
(宗教側から見て科学がDemonなのかなと思った。)
そんな人類の宿命のような問題に、かなりしっかりと触れているんですね。
でもそこにどっちが善で悪かというような解答を示すのではなく、科学と宗教互いに抱えている問題がそれとなく描かれ、
それに対して人びと(登場人物たち)がどんな風にその問題に対峙するかという事が丁寧に語られています。
もちろん、物語としてミステリーとしてとても面白いけど、世界を二つに分けている考え方が、
ただ一つの同じことを辿る道の途中でしかない、というテーマは興味深かったですね。


宗教史もあまりよく知らないし、科学の方もちょっと疎い(加速器くらいは知ってる)けど、
さり気なく分かりやすい説明や興味をそそる描き方がすごく上手くて、こんなに長い話でもちゃんと読了出来ました。
確か日本語訳の文庫本も上中下の3巻だった気がする。。。
どうでもいいけど、「ダヴィンチ・コード」に比べてラングトン先生の危険度が異常な気がしました(笑)
その割にはあまり活躍した感じがないのはどうしてなんだろう?
ビトーリアの方が走り回ってるイメージがあるなあ。。。
最後の方で、疲労困憊な先生がちょっと可哀想でした。


来年、この映画が公開されるらしいんですが、それに間に合って読了出来て良かったです。
読んでる途中でカメルレンゴがすごいイケメンに脳内変換されてたんですが、
IMDb調べたら、ユアン・マクレガーさんが演じるって知って今日は一日ニコニコしてました(笑)
公開が楽しみだなあ。