「ヘアスプレー」





最近、能動的に意図を読み取る映画が続いたので、たまには受動的映画をということで。


冒頭からいきなり、全力でミュージカルで、
朝っぱらからあんなに陽気に「オーオーオー♪」と隣で歌い踊られたら、
きっと殴るなーと思わず湿った事を考えてしまったくらい、ついていけませんでした(笑)
それも最初の曲が終わる頃には、なんとなく準備出来たような感じになって、
学校の中で歌い踊るシーンでようやく楽しめるようになりました。
いやー、初っぱなからフルスロットルだよ。
舞台が60年代ということで、ビッグバンドの軽やかでうきうきするようなメロディがすごく良かったです。
それに黒人歌手たちの歌の力強さがすごくいい。
白人の女の子の歌もすごく力があるなーと思ったけど、なんだろ、根本から違う感じがしましたねえ。
ダンスもはちゃめちゃにハッピーな感じがよく出てて楽しかったです。
歌い踊りながら、かなり無茶なことをやってて、それをまた歌いながらさらっと流して行くっていう、
ミュージカル映画ならではの暴れ加減も良かったです。
男子トイレ覗きながら歌ってるシーンとかすごく面白かった。
お話の方は、ぽっちゃりした女の子がすごく前向きに、ガンガン突き進んで夢も恋も頑張っちゃう、
ついでに人種差別とガンガン戦っちゃう、というかなり暴力的な展開なんですが、
ちょっとバランス悪いかなーと思いました。詰め込みすぎて、八方に広がっちゃったような。
これ、向こう(アメリカ)では普通のバランス感覚なんだろうか。
巨大なバンズに、次から次へとミートパテとかスライスしたトマトとか、チーズとかレタスとかピクルスとか、
どかどかどかーっとのっかってくる感じ。
もう、「お腹いっぱいにさせるからな!」っていう、強い意図を感じました(笑)
まぁある意味アメリカっぽくてこれで良いのかも。
ごちそうさまでした。