- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2008/04/24
- メディア: DVD
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10代の頃とか、「もしこうなったらどうしよう」って非現実的なシチュエーションを夢想して、
自分の行動を想像してみたりしたものですが(今でも、かな)、なんだかこれはそれを観ているような映画でした。
極限状態に置かれた、理想化された自分像みたいなもの。
でも、それだけじゃなくて激しい孤独感に苛まれたり、果敢に一人で戦うけどどうしても恐怖に立ちすくんだり、
そういう大人のリアリティもきちんと描かれてて良かったです。
お話の方は、すごくシンプルで展開に迷う事もなくすっきりと観れました。
主人公のネビルはあの荒廃したNYに居続ける事で、失ったものを取り戻そうとしているんだと思うんですが、
一方でそれは出来ない事も分かってると思うんですね。
それでも取り戻そうとするしかないっていう、余地のなさが切なくて印象的でした。
極限状態が強いるいろんなもの、普通の世界では、政治とか国とか、コミュニティに分配して来たもの(アイデンティティの一部?)を、
全て引き受けなきゃいけない重みとか、そういうのを感じました。
このお話に911の影響がすごく出ているのはよく分かるんですが、それをここで言葉にするのはちょっと止めておきます。
グランド・ゼロとか最後の選択とかね。きっと誰かが言葉にしてると思うし。
内容の方はというと、
荒廃したNYの描写がすごく良くて、放置された広告を背景にして雑草が生い茂ってサバンナと化してる風景が
ぐっと来ました。前に読んだ「沈んだ世界」の水没してジャングルと化した世界のイメージに近い感じ。
それとゾンビみたいなのが出てくるんですが、そのスピード感が妙に生々しくて面白かったです。
アスリートみたいに手をパーにして全力疾走するゾンビ(笑)ゾンビって昔はもっと愚鈍だったよなあ。