「WALL・E /ウォーリー」



観てきました。すごく良かったです。
ロボット、好きなんです。
全編を通して、2つのロボットのシーンではほとんど会話がなく、動きだけで展開して行くのですが、これはすごいなあ。
古いアニメーションで、こういう手法*1を用いてるものを観た事がありますが、
それに近い感じがしました。ストーリーの補完を観客側に任せてるんですね。
一方、キャラクターの動きそのものはセルアニメーションとは違い、リアルな感じが出ていて、そういう古さと新しさの組み合わせが新鮮でした。
ウォーリーの、昔のオモチャっぽい動きとかすごくリアルなんですよね。
繊細な表情の作り方とか、パーツをいかに動かすかっていう工夫がすごく楽しかったです。
車の正面って人の顔に見えるよね、っていう空気を広げた感じ。


さて、このウォーリーですが、ロボットというより古い電化製品に感じる愛着をぎゅぎゅっと閉じ込めたような、そんな愛しさを感じました。
さらに、やたら頑丈で自己修復機能もついてるんですね。
観た目のチープさ、行動の単純さとは裏腹にかなりの高機能でびっくりしました。
自己修復はロボット工学三原則でも定義されてるしね。実現したら普通にスゴいと思います。
それに起動音(笑)もちろん、「おまえ、OSはアレか!?」ってつっこみました。
一方、イブの方は相当な高機能ですね。そもそも、ウォーリーのようにホコリやゴミが入り込む隙間がないし。
このハイテク(イヴ)とローテク(ウォーリー)の対比もなかなか面白いところで、
イヴの方はヒューマン・インターフェースが高度に簡素すぎてどうして良いか分かんないマック製品みたいなのに対し(笑)、
テレビを叩いて直してたような雰囲気のウォーリーの方が、遥かに人に優しいインターフェースを提示しているように思えるのは興味深かったですね。


ある場面でウォーリーは規格外の出力をしてしまうのですが、その場面にひどく感動しました。
悲鳴のように金属が軋んだり、汗のようにエンジンから油や煙が出たりすると、機械という無機物に、
人間であるかのようなイメージを投影してしまって切ない気持ちになりましたね。
あと、大ウォーリーがすごく良かったです。
ぐわーっとゴミをかき集めるシーンとか、なぜかワクワクしました。
大きい金属のかたまりって見てるだけでワクワクしませんか。しませんか。。。
一方、人間側のドラマの方の見どころは艦長の直立のシーンです。
あの曲はひきょうだ。どんなにどーでもいいことも、あんなにドラマチックにしてしまうんだもの(笑)

*1:単に映像に声を乗せる技術がなかっただけだとおもいますが