「G.I.ジョー」



最近、めっきり見なくなりましたね。マッド・サイエンティスト。「科学の発展には犠牲は付きものだ!」と己の欲望を清々しく転嫁する白衣の悪魔。誰もが驚くような発明をする頭脳を持ちながら、、何故そっちに使ってしまうんだ!というヘボさを持つ奇跡の人。久しぶりに直球のマッド・サイエンティストをがっつり観れたというだけでこの映画は価値があるのです。私にとって。


SFつーか軍事ガジェット盛りだくさんで、それを魅せることに全力を注いでいて、非常に楽しめました。物語がタイムライン程度の意味しか持たないので、あんまり字幕を追う必要もなく、「パワードスーツかっけえ!」とか「光学迷彩きた!」とか(心の中で)叫びながら観ました。まあ、なんとなく両陣営の形式が冷戦構造2.0なのかも、とちょっと思いましたけれども。とにかく大量のガジェットが惜しみなく画面に投入されるめくるめく快楽。出力オーバー気味のパワードスーツで展開されるアクション、途中で挿入されるニンジャ達のエピソード(笑)ああいう、ギブスンの初期3部作スプロールもののような、コラージュされたジャパンのイメージは決して日本人には到達出来ないだろうなあ、とふと思いました。でもそれを一番楽しめるのは多分日本人だろうけど。うふふ。パワードスーツは去年のアイアンマンあたりからちょっと熱が上がって来ていたのですが、やっぱりいいなあ!中の人がひゃっほー言いながらアクションする風景は、ロボットや戦闘機などとは違う別の興奮がありますね。軍事技術方面もなかなか大風呂敷広げてて、脳を操作するテクノロジーのあたりもにやにやしながら楽しみました。


一番良かったキャラはやっぱりイ・ビョンホンさん演じるストームシャドーでした。鋼錬の荒川弘さんがコミックのあとがきかどっかで「白いスーツは変態のイメージ」って言っていたのをふと思い出したくらい、変態でした。瞬きしないで一点をじーっと見つめる無表情とかがもう最高。あとやっぱりスネークアイズはどうやってもMGSのサイボーグニンジャにしか観えなかったです。