「ANUBIS - ZONE OF THE ENDERS」

ANUBIS ZONE OF THE ENDERS SPECIAL EDITION コナミ殿堂セレクション

ANUBIS ZONE OF THE ENDERS SPECIAL EDITION コナミ殿堂セレクション



1作目の「ZONE OF THE ENDERS」はプレイしたんですよ。というのも、ちょうどその頃、発売を控えていたMGS2の体験版が同梱されていたので。まあそっちが目当てだったんですけれども。それが、うん、まあ、ちょっとイマイチだったんですよね。アクションゲームが苦手な私には、簡単に華麗な攻撃が繰り出せる操作はとても良かったんですが、ゲームに物語を求めてしまう自分としては、エンディングが残念だったんですね。ゲームの操作が苦手でも、それでもやりたいと思わせるのは物語の力なんです。何度も何度もコンティニューして、腕つりそうになりながらも(笑)、必死に敵に食らいつくのは、その先の展開が観たいからに他なりません。それがようやく苦労してエンディングに辿り着いてみれば、終わっていない。なんだよ、もう。怒るというより、折れてしまいました。まあそんな訳で、2作目のこのアヌビスはずーっとほったらかしだったのです。でも、まったく無視している訳ではありませんでした。TGS2002のトレーラー*1は数えきれないくらい観ていたし、小島監督の編集の巧みさが面白くて今でもたまに観直したりするくらいお気に入りです。だからちょっと面白そうだなあ、くらいは思っていたんですね。それでも一度くじけた気持ちが立ち直る事もなく、いつしか忘れていました。
それが最近になってコジブロで、続編出すかも、という情報が流れて、なんとなくこのチャンスを逃したらきっとこの先やらないだろうな、と思ったんですね。ゲームそのものも最近あまりやっていないし。


で、前置きが長くなりましたが。ようやくプレイしてみました。えーと、すいません、ほったらかしにしててすいませんでした。もう発売から5年?も経ってるんですけど、ははは、なんだこれ。すげえ面白い。
アクションゲームが苦手なので、敵との間合いを計ったり隙をつくというような、難しい操作はまったく出来ないのですが、それでも「なんとなくカッコいいアクションができてる」という感覚に浸れる操作感が非常にいいです。前作もこの点はとてもいいなと思った部分なのですが、さらに磨かれてより気持ちいい操作が実現されているように思いました。ただ簡単操作なだけに、敵をついつい深追いしすぎてしまって自分の位置が分からなくなったりしてしまうので、この辺はなにか補正が出来ると良かったかな。アクションゲームが苦手だと、ゲーム中のキャラクターのヘタレさとデモシーンでの華麗なアクションとのギャップにいつも悔しい思いをして来たのですが(笑)、ゲーム中もそれなりにカッコよく見えるのでどっぷりと「主人公きどり」が楽しめました。アクションゲームが本当に好きな人って、こういうのあまり気にしないかもしれないけど、物語重視だとこういう部分はすごく大事なんです(笑)この「主人公きどり」という感覚は、多分これからのゲームからはどんどんなくなって行く要素だと思うんですが、私は古いタイプのゲームプレイヤーなので、こういうキャラクターの操作を通して物語を「読む」というゲームがやっぱり好きなんですよね。
それと、三半規管の弱い私は3D酔いしやすいという、アクションゲームをするには本当に向いていない人なんですが(笑)、なぜかこのゲームは酔いませんでした。プレイした人は分かると思うんですが、敵の動きとか半端ない速さだし、それを補足し続けるカメラもすごい勢いで回転しているんですが、全然大丈夫なんですよね。MGS4でも軽く酔ったくらいのレベルなので、もし「アクションは酔うからダメ」という人が居たらオススメかもしれません。
さて、物語そのものは、メインのゲーム部分を邪魔しないようにあまり込み入った謎も少なく、圧倒的な戦力差にいかに立ち向かうかというものなのですが、その中でもキャラクターが非常に際立っていました。いや、このゲームなにが面白いって、この主人公のオレオレ的ヒーローっぷりなんですよ(笑)自分の意思に反して陰謀に巻き込まれてしまったというくだりはまあ普通?なんですが、その割には妙にやる気ていうかけんか腰なんですよね。ロボットアニメはほとんど観た事がないけど(エヴァンゲリオンくらい)、こういう熱いキャラクターとか普通なのだろうか。とにかく「うるせえ」「黙れ」「オレに任せろ」で会話を成立させているような強引かつ熱血キャラはここのところ映画でも観ていなかったので、かなり爆笑しました。さらにヒロインがまたとんでもなく気の強いキャラクターで、この二人の舌戦がとてもテンポが良く、お互い息を合わせて喧嘩しているのがすごく面白かったです。ただちょっと残念だったのが、敵役の真意が伝わってこなかったかな。狂気に至る道が見えてこないので、「出てくる度に大層なことを言う敵ボス」どまりになってました。まあ、敵ボスなんてそんなものなのかもしれないけど。
全体を通して次から次へと事態が動く速い展開が楽しくて、無理してでもついつい先を観たくなる没入感を久々に感じました。ああ、こういうハマった感じは最近なかったなあ。

*1:本編でオープニングになってた