ガリバー旅行記

ガリバーはニューヨークの新聞社のしがないメール係。同じ新聞社の編集者であるダーシーに想いを寄せているがなかなか打ち明けられない。そんなガリバーはひょんなきっかけからバミューダ・トライアングルの取材旅行のチャンスを得る。たかをくくって気軽に出かけた彼は嵐に遭遇し船ごと海に飲み込まれてしまう。目覚めたガリバーが目にしたのは、小さな人々が自分を不思議な目で見つめている光景だったー。

スクール・オブ・ロック」や「ナチョ・リブレ」など数々のコメディに出演しているジャック・ブラックさん主演の新作、と聞いて早速観て来ました。というかこれ予告ですでに笑っちゃったんですよね。
このコメディで面白かったのはギャップでした。ガリバーとリリパット人(小人)との大きさのギャップもそうなんですが、中世の世界観そのままのピュアな心のリリパット人と、現代のニューヨークで生きるスレたガリバーとの対比、これが面白かったですね。例えばガリバーが調子に乗ってスターウォーズを自分のことのように話して聞かせた物語が、リリパット人によって演劇として上演されるのですが、みなルークとダースベイダーとの最後の対決で明かされる事実に心打たれるんですね。もうさんざんネタにされてるそれを見て驚く人々の感覚がすごくずれててそういうところに面白さがありました。このギャップを最大限に引き出しているのがやっぱり大きさで、ガリバーの大きさに頼った強さだけでなく、逆に小人の小さい割に土木技術のすごさとか大袈裟に描かれてて見た目で面白かったですね。
人は変われるというけど、なかなかそれを変えるのって難しい。でも都合良く世界の側が変わってくれたらこんなに楽なことはないですよね。でもそれは世界が変わっただけで自分は何も変わらない。それでも、世界に引きずられて一緒に変わってしまうことも、あるかもね。この映画はきっとそういう話だったんじゃないかと思います。