スカイライン-征服-

ロサンゼルスを訪れていたジャロッドとエレインは、ある朝、強烈な青い光が空から降ってくるのを目撃する。それは地球外生命体が地球に記した第一歩だった。人々が驚く暇もなく地球外生命体は征服を開始した。

エイリアンは妖怪や幽霊と同じように隠すもの。という常識をばっさりと打ち破ったのは「第9地区」じゃないかなと思います。エビに似た宇宙人が地球人と同居して煙たがられるっていうお話。で、これは「もうぶっちゃけちゃっていいよね?」という「第9地区」的な新しいお約束と、「エイリアンが友好的とは限らないよねー」という割と古典的なSFネタをうまくつないだ感じになっているように思いました。このエイリアンを白日の下に晒してしまうということは、単に技術的な映像表現がもう「嘘くささ」を感じさせないようになったというのもあるし、観客側の意識としても「それってエイリアンでしょ?」というお約束ができてしまって今さら隠すこともなくなってしまったということだと思うんですね。そうなった時にエイリアンは、妖怪や幽霊と言った正体不明の未知のものから、現実的な制御不能なものという、どちらかというと自然現象に近い存在になったんじゃないかと思います。だってこのエイリアン、まったく容赦ないですからね。でも、もしかしてこれが彼らなりに「ハロー!」って言ってるのかもしれないと考えると、人類の発する絶叫とかすごく笑えてくるんですが。
映画の作りは映画「トレマーズ」(砂漠で巨大ミミズに襲われる)や映画「ゴースト・オブ・マーズ」(火星で亡霊に襲われる)などの、逃げ込んだ場所から動けなくなってそこでなんとか奮闘する、という低予算パニック映画の形式を踏んでいたりして楽しかったですね。逃げるのか残るのかで対立する緊迫感や、謎の光線を浴びることによってエイリアンに感化されていく不気味さとか、街並のダイナミックな破壊だけじゃなく、細かい演出も効いていていて面白かったです。