メカニック

迅速に誰にも疑われることなく精密な「処理」を請け負うメカニックのアーサーは
とある企業の重役から友人でもあり顧客の一人でもあるハリーを殺すように依頼を受ける。仕事に私情を挟まないアーサーは暗殺を実行するが、ハリーには問題を抱えた息子スティーヴが居た。和解できないまま父を亡くしたスティーヴはさらに荒れていく。その様子を見かねたアーサーは父の敵であることを隠して彼に近づき「メカニック」としての技を教え始める。

スクリーンで必ず一度は脱ぐ男、ジェイソン・ステイサム主演の映画です(脱いでるよね)。もじゃもじゃの胸毛とむきむきの筋肉がとても素敵です。
まあそれはいいとして。基本的にどっかどか人が死んで行くアクションなんですが、この映画のタイトルでもある「メカニック」が示す通り、主人公アーサーの仕事に対する手順がすごく精密で、それがジェイソン・ステイサムの静と動がびしっと決まる所作によって上手く表現されていると思いました。ターゲットの生活サイクルや、趣味嗜好、周囲の警備や先々の予定なんかをデータとして綿密に集めつつそれらを統合して暗殺の隙を詰めて行く。細かな部品を一つ一つ磨き上げて、噛み合わせや動きを調整して行く機械工と同じなんですね。まあどちらかというと凝り性(アーティスト)という感じですが(笑)そういうキャラクターに相応しいのはRPG(ゲームではおなじみのロケット砲)担いで豪快にどんぱちやるタイプじゃなく、やっぱり彼のダンスのようなキレのあるアクションじゃないかと思うんですよ。見ていてすごく面白いし、きれいな動きなんですよね。
それとこの映画、ステルスアクションのわくわく感もきちんと盛り込んでいてステルスゲーム*1好きとしてはかなり良かったです。小物を使ったスリルの盛り上げとか、半透過の鏡(取調室にあるみたいなやつ)で敵が至近距離で覗き込むとか、すごく演出が効いていて良かったです。

*1:メタルギアソリッドアサシンクリードなどの隠れながら敵を倒すゲーム