探偵はBARにいる

札幌すすきので探偵をしている「俺」は、ある日事務所代わりにしているバーにかかってきた電話から、ある弁護士に2月5日のことを訊ねて欲しい、と奇妙な依頼を受ける。見知らぬ依頼人の調査を、初めは不可解に思いながらも「俺」はその弁護士を訊ねてみることにする。

北海道だけじゃなく今や全国でもテレビなどに出演している、大泉洋さん主演のハードボイルド(笑)アクション(笑)映画。いや、ハードボイルドはともかくアクションは思ったよりもちゃんとしてたのですが、大泉さんがそれをやるとどうもコメディっぽくなってしまって、手に汗握るというよりも殴られた時の変顔に笑ってしまいました。殴られっぱなしじゃなく、ちゃんとやり返す時の余裕のある感じもさまになってて良かったですけどね。まあ笑っちゃいけない真面目さを完全にオフにしたのは良かったと思うんですよね。日本映画はあまり見てないけど、スクリーン上にある日本の風景の中で今そういう本格アクションを観るのはちょっときついような気がします。あと、アクションというか効果音が効き過ぎてて笑ってしまった。殴る音でかすぎる(笑)拳を振るうときの「ぶんっ!」って音まで入れちゃうからすごく漫画っぽくなってて笑いました。特に冒頭で相棒の高田(松田龍平さん)が登場するシーン。ジャッキー・チェンでもこんな音出さないわ(笑)
まあコメディっぽいアクションだけでなく、きちんと緊迫感のあるものも違和感なく挿入されていて、バリエーションはけっこう広かったんじゃないかなと思います。実験的な感じでもあるのかな。あと、すすきののど真ん中を走る大泉さんをワンカットで真横から捉えているシーンがあったのですがあれは結構すごいな。
ハードボイルドに関しては、「俺」という人物像に関して、かっこつけたくてもかっこつかないかっこよさ、みたいな地に足着いたキャラクターだったと思います。大泉さんの「近所の兄ちゃん」的な人懐っこい雰囲気と、物事を斜にも上からも構えない、手づかみで現実と向き合うような北海道人らしい田舎っぽさが野暮ったくならずに、彼にしか出せないかっこよさに昇華されてるように思いました。うん、ちょっと褒め過ぎかな。それと大泉さんの最大の魅力であるぼやきがちょうど良い感じにシュールさを出していて良かったですね。水どうの面白さって、このぼやきだと思うんですよね。(あとミスターの残念具合とか)そこがやり過ぎない程度に入っていてすごく面白かったですね。相方のツッコミがやる気なさそうなのがまた絶妙でした。