シャーロック・ホームズ シャドウゲーム

探偵シャーロック・ホームズはロンドンで起きている連続爆破事件を追っていた。以前助手の関係を解消したワトソンは結婚式を控え、独身最後の時間を元相棒のホームズと過ごそうと彼の元を訪れるが、あいかわらずなホームズの破天荒なふるまいに次第に元の関係に戻ってしまい、事件に巻き込まれることとなる。

ロバート・ダウニーJr.演じる名探偵シャーロック・ホームズの映画第二弾です。前作では、「助手のワトソンの方が頭良さそう」と(主に私に)思われたホームズでしたが、今回はなんと!お兄さんのマイクロフトも登場して!さらにおばかがパワーアップしてました。うわー。原作読んだ事ないんですけど、ホームズってこうなの?こういう人なの?前作から挙動不審なところがありつつも、鋭い観察眼と引き換えに空気読めないという、どちらかというと欠点の方が大きいんじゃね?というかわいそうなキャラクターでしたが、今作はこれをベースに女装までしてしまう変態っぷり。しかしこの程度の変態で驚いてはいけません。新婚ほやほやの新妻(ワトソンの嫁)に全裸で股間をぶらぶらさせながら微笑む変態紳士、兄マイクロフト(笑)ひどい、ひどいよー。ホームズ兄弟変態だよー。

さてお話の方ですが、ホームズともう一人の天才モリアーティ教授との世界大戦がかかった頭脳戦と言いたいところですが、実はホームズとワトソンの男同士のラブコメでした。ホームズはワトソンと一緒に居たいのに、ワトソンは相棒の関係を解消してしまうし、さらに結婚までしてしまう。遠い存在になっていくワトソンをこの空気読めないかわいそうな天才がなんとかして引き止めようとする、どたばたでラブラブなコメディなんですよね。ワトソンもなんていうか、ホームズの破天荒な行動に呆れながらもほっとけなくなってしまう。ホームズにほだされてしまうんですね。もうね、犬かなんかだと思っているんじゃないかと思うのね。ワトソンはホームズのことを。あの手この手を繰り出して心をつなぎ止めるホームズのいじらしさと狡猾さに、「あーもう!」と思いつつ世話を焼いてしまうワトソン。友情というよりももはや愛情になるところを、しれっとコメディでお茶を濁しているのでBL的な耽美な恥じらいもなくて、わりとすかっと観れて面白かったです。

今回一番良かったのは、ジプシーの女性を演じたノオミ・ラパススウェーデン版「ドラゴンタトゥーの女」でリスベットを演じた印象が強かったのですが、今回の役も少し似ている感じですごく良かったです。こういう強い女性の役、似合うなー。強さや激しさが生々しくそこにある感じ。女性らしい上品さがまったくない乱暴さ、粗暴さがすごくかっこ良いんですよね。ジプシーたちの村で食事をしているシーンで、ただそこに座っているだけなのに強い印象を受けました。不思議な魅力のある女優さんですね。