ロボコップ

ゲイリー・オールドマン出てるの知らないで観てびっくりしました。いやーこの人、ダークナイトのゴードン警部もそうだけど、こういうまっさらな正義でもなく、純粋な悪でもないグレーな役どころ、本当に上手いですね。途中シナリオがちょっとずっこけそうなところがあったんですが(お披露目直前でデータアップデートしてロボコップがトラウマのところw)、そういうだめなところはほとんどこの人がカバーしていたような気がします。というか、私はこの人が出ていただけで良かったw。というわけでシナリオとしてはあまり良くなかった…というか、そもそもそれを求めてはいけないような気もしますが、それでもすごく楽しめました。ロボットというかサイボーグが日常に存在する風景が観れたからです。冒頭のロボットやマシンがイスラム圏の片田舎で活動する場面とか、パニックになって畑(水田?)を疾走するロボコップの奇妙さ、自宅に戻った彼と妻が触れ合うシーンとか、私はそういう何でもない風景の中にあるサイボーグが観たかった。特に妻が彼の鋼の身体に触れた時の金属の小さな音、それはすごく残酷な姿だけどどこか救いがあるシーンなんですよね。ロボコップのあのちょっとレトロなデザインがそのまま採用されているせいで、その無骨さや無機質さがよりマシンと人を際立たせているところも良かった。
ヒトとマシンのハイブリッドという点ではあまり目新しい視点はなかったけど(あ、でもラストの命令系に逆らうシーンは彼の生体脳がソフトウェアをオーバーライドしたんだと勝手に思いましたが)、デザインやビジュアルがすごく楽しい映画でした。黒ロボコップ、かっこいいよ。



余談ですがこの映画、ロボット(サイボーグ)となった父とその家族、とか、本人の意思に関係なく殺戮マシーンにされてしまうとか、これまんまMGR(メタルギアライジング・リヴェンジェンス)の主人公、雷電だ!と思って観てしまいました。いやほんとね、二足歩行の大型ロボットと戦うシーンで頭脳をぶっ壊すのに飛び乗ったりw、途中で倒れてきた大型ロボットに腕を挟まれたロボコップが自らの腕を銃撃で切り離したりw、なにかオーバーラップするシーンがすごく多くて途中で爆笑しながら観てましたね。いやー高周波流したブレード出てこなくて良かったね。オーグメントモードは出たけどw でもロボコップの中の人、どちらかというと雷電というよりもフランク・イエーガーという感じかなあ。