攻殻機動隊 ARISE border : 4 Ghost Stands Alone

あらすじ

独立(スタンドアローン)まであと少しというところで、9課の荒巻となかなか条件が折り合わない草薙素子少佐率いる部隊は、コンサルタントという立場に甘んじていた。行動にいちいち余計な監査が入り、素子は上手く自分の能力を生かしきることができない。部隊はかねてより捜査していた「ファイア・スターター」を 追って、ハリマダラ重工で行われているクザン共和国との提携セレモニーを襲撃しようとしていたテロリストを制圧。しかしその場にいた不可解な人物に素子は電脳内への侵入の手がかりである「枝」を付けられてしまう。バトーとトグサが確保したのは人形のような容貌の少女エマだった。




疑似記憶というテーマを描いて来た新生「攻殻機動隊 ARISE」シリーズ最終章です。いやーたたみかけるようなアクションと怒濤の政治的・組織的なうねりがカットごとに展開して、けっこうついていくの大変でした。ホヅミ大佐(ロボットっぽい顔の茶色の女性)とか、あれこの人どういう関わりなんだっけ…?とか観ながら思い出しつつ観てましたね。攻殻はこういう濃度の高い情報量が魅力的だけど時々オーバーフローするんだよね。でもやっぱりこれ、すごく面白かった!
なにより素子がかっこいい。この攻殻、漫画版も過去の映画版、TV版も共通して、この素子という一人の才能のある人間が能力全開で戦うところにあると思うんですよね。統率力、政治力、ハッキング能力、そしてもちろん武力を持ってして多様な部隊の仲間と共に自らの状況を更新していく。彼女を中心としたダイナミクスが今作ではとても活き活きと描かれていて堪能しました。やっぱり攻殻の楽しさってこれだよなあ。おなじみ素子とバトーさんとの共闘シーンも良かったし(欲を言えばもうちょっと長くても良かった!)、パズとボーマのコンビものんびりしている感じでよかったです。(ボーマが「こんちはー」って部屋に入ってくるところがすごくすき)最後はトグサさんとこの上の子が生まれてるし(あの子かあ、となぜかしみじみしたw)、いつもの面々でありながら新しい感触のチームだなあと思えてすごく楽しかったですね。



疑似記憶ウィルスによって集団電脳ハッキング(生体脳でいう洗脳ですな)が可能になってしまったことが証明された今作は、過去作の名台詞や名シーンの数々がオマージュとして描かれています。例えばビルからの光学迷彩しながらのダイブや、ゴーストの囁き云々など。それはあたかも観客側の過去の視聴体験を今作で上書きしようとするかのようです。疑似記憶ウィルスによって観た記憶を改竄されるように。そんなメタ的な遊び心を感じた作品でした。


あ、ちなみに先日「いま生理痛なの」っていうキーワードで検索して来られた方がいましたが、「生理中なの」だとおもいますよ(笑)生理痛あったとしても幻の痛み(Ghost Pain)ですよね。それに生理痛だとお腹抱えながら任務こなさなきゃいけないから素子大変だよ。


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